ミドルフェイズ/Middle phase section 2

Scene 4
GM  シーンを切り替えましたっと。
 といってもまだ特にイベントは起きなくても良いんだけどね。
白百合  あ、でもっ。
 皆さん何かしたいこととかはあると思うのですよ。
しぶちょ  そうだにゃー。
 とりあえずボクはこの状況でぇ、かみやんたちが学校に行くかどうかを知りたいにゃー?
神居  行くよ。
伊弉  ――と、カムイが言う以上私も行かざるを得ません。
しぶちょ  予測通り過ぎたにゃー。
 今は放課後だからいいけれどぉ、学校の時間になったら護衛として屋上に行く羽目になるのかにゃあ。
白百合  そそそ、それは私2人を泣いて止めますよー?!
伊弉 「“日常は日常” といってるどこかの対象者が居るからね。
 そりゃ護衛者の私は行かざるを得ない訳で」
神居 「日常は日常、非日常は非日常。ね?」
伊弉 「私にとっては学校の方が非日常なんだけどねえ?」
神居 「でもまあ、日常/非日常があるなら切り分けは大事だよ」
伊弉 「私からしてみるとね、高校に行く方がね、非日常なんだけどね?
 て言うか、家で大人しくしている選択肢は……多分ないんだろうなあ」
神居 「あ、あーあー……。
 ……え? それダメじゃね?」
伊弉 「せめて施設で訓練してるとかといった選択肢はないのかなあ?!」
神居 「だって出席日数がさぁ」
伊弉 「サボり過ぎなんだよアンタは!」
GM  そういうことやるならシーンでやってください!
しぶちょ  あ、GM。
 2人の喧噪がひと段落したら、ボクと白百合ちゃんのシーンが欲しいにゃー。
GM  ん? あ、はいはい了解。
 じゃあシーン始めるよ。
[Scene 4 environment]
 Side:Isana
 Time:Shortly after this time.
 Place:The UGN branch office.

Scene is start...

 UGN支部。
 神居と伊弉が会話……というか言いあい中。
 「大人しくしていろ」という伊弉の言葉に対し神居は平然と「だが断る」と言ってのけている。
伊弉 「家で大人しくしてろとはいわないから、せめてUGNの訓練施設で身体を動かすとか、そういう気は無い?」
神居 「いや〜あ、それもありなんだけどね。
 でも来るモノは来るんでしょ?」
伊弉 「来るモノは来るから、まだ状況が判る所の方が助かる。
 はっきり言って一人の時に襲われると非常に困る。実際一番最初の時そうだったじゃない」
神居 「ダイジョウブダイジョウブ。
 UGNの訓練施設で襲われてるから」
伊弉  ず、随分けろりとあっけらかんに……。
神居  事実訓練施設で訓練中に襲われてるんだから仕方ない。
伊弉 「……。
 やっぱり一人では余計ダメ」
白百合  伊弉さん、まるで仕事場の怖い上司みたい。
しぶちょ  ぷるぷる、こわいにゃー。
神居 「でもでも、学校に行ってもヒトミも居るだろ?」
伊弉 「そりゃね?
 あなたが学校に行くのは想像がつくし……」
神居 「じゃあ一人じゃないじゃん、ダイジョブじゃん」
伊弉 「そういう問題じゃないんだけどなあ……」
しぶちょ  かみやんはそういう奴だにゃー。
GM  しょうがないよなこの2人、お互いに。
伊弉 「じゃあ!
 無駄にゲーセンとかは行かないで、それなら良いでしょ?
 学校行って帰ってはしてくれて構わない、どっか一人で夜遊びするな」
神居 「〜♪」
GM  おいこらそこの、盛大に目をそらすな。
神居 「ダイジョブダイジョブ。
 そんなことしないから♪」
伊弉 「聞いてる?
 カムイ、聞いてる?」
神居 「だいじょぶだって、そんなことしてないからさ♪」
伊弉 「ちょ〜っとそこの頭に聞いてみようかアンタ」
 腕っ節で抑え込むのは無理なので、頭から聞こうとしてみます。
GM  やる?
 やるなら、対決ロールだけどしてみる?
神居 「じゃじゃじゃ、ちょっとさちょっとさ。
  それよりもさ、もっと情報収集しようよ」
GM  お?
 おお、どうぞどうぞ。
しぶちょ  なんだかGMが困惑してるにゃー。
白百合  神居君、伊弉さんを口説き落とす方法を調べるのでしょうか……?
神居  あ〜……。
 それって[情報:UGN]でいけるものですかね?
GM  そうだな、[情報:UGN]か[情報:噂話]か、もしくはコネ、コネ……コネ:しぶちょーで。
伊弉  ではそこらの情報、GMが適当に造って下さいね。
GM  良いのかよ?!
伊弉  好みのタイプ等なら別に勝手に造って貰っても構わない。
 そもそも噂なら何が起きても不思議じゃない。
白百合  それはそうですけれど?!
伊弉  情報源次第。
 いや流石に冗談ですってば。
 ということで、閑話休題。
神居  とはいってもな。
 俺の頭の中では春日部恭二郎が居るなら直接殴りに来て貰った方が早いって思ってるんだよな。
GM  河合清丸と喧嘩仲間だとな。
 だったら春日部の居場所を調べたら?
神居  そうだな、春日部の居場所を調べる。
GM  [情報:UGN][情報:FH]で調べてイイよ、むしろ会いにいけ。
  そしてボコされるがいい。
神居  UGN幹部も併用する(ころころ、ころころ)
GM  UGN幹部でーって幹部知らねえよ?!
 ていうかおいおいおいおい、こういうところで回すなよ?!
神居  ハイスペックに達成値:26。
GM  そもそもUGN幹部って一体どこに聞くんだよ?!
神居  霧谷さん。
 ホワイトボードにマップを書いて、どの辺に行くかな? て感じで聞く。
GM  そしたら霧谷から連絡が行く形にしよう。
 神居、霧谷に連絡取ろうとするよね? その通信が繋がりました。
「え? あ、あなたは……」
神居 「ああ良かった良かった霧谷さん、つながったつながった」
霧谷 「どうしましたか?」
神居 「何だっけカスカベキョウジロウだっけ? 何かこっちに来てるらしいじゃん。
 だからむしろ、俺から殴りこみかけようと思うのよ」
霧谷 「それは、とても危険な賭けでは……」
神居 「うん。
 でも実際UGN訓練施設で狙われてるんだよね。
 安全な場所なんてないんだから、だったらこっちから殴り込んだ方が良いと思う」
GM  霧谷はしばらく考え込みます。
 でも情報収集判定で達成値:26はなあ……
 アホじゃねえかと。
神居 「ままままま。
 霧谷さんも何か意見はあると思うんだけどさ、ちょっと行ってくるから場所を予想してみてくんね?」
霧谷 「……。
 あなたがそのまま向かうことは推奨できませんが、彼の居場所を推測するに足る情報が揃いましたので警戒していただくために情報を流したいと思います」
神居 「ダイジョブダイジョブ。
 そんな話聞いたからって、このまますぐこの足で行くわけじゃないから」
霧谷 「因みに、今まさに情報が入ったところです。
 つい先ほど、隣のX市支部が壊滅したという情報が入りました。
 そしてこの襲撃を受けていたUGN支部はこれが最後です」
神居 「お?
 ということはそろそろ来そうか」
霧谷 「まっすぐ向かって来ている可能性が高いと思います」
神居 「ならばまっすぐに聞きに行けばいいんだな」キリッ。
伊弉  神居の首に腕を回してチョークスリーパー。
「い・く・な、って言ってるのだけど」
神居 「ダイジョブダイジョブ。
 ほら場所が判ったからといって、一人でぱっと行ったりしないから」
伊弉  ぴき。
 腕に力を思いっきこめる。
神居 「ぎぶぎぶぎぶぎぶ」
伊弉 「このまま締め落してやろうかカムイ……」
霧谷 「済みません……。
 どうか伊弉さん、彼を抑えておいてください」
GM  全くイチャイチャしやがって。
 で、こういった情報をしぶちょー&白百合サイドにも流しますか?
神居  流しに行くから心配しなくて大丈夫。
「大丈夫、そのまますぐに一人で行ったりしないよ。
 ちゃんと『殴りこみに行くよ』っていってから行くよ、ね?」
伊弉  ギリギリギリギリ。
神居 「ちょ、ちょっとシャレにならないシャレにならない」
伊弉  離す。
神居  ぜーはー、ぜーはー。
「よししぶちょーのところに行こう」
 2秒くらいで立ち直る。
伊弉 「しぶちょ―のところに行くなら、私がついていっても平気だよね?」
神居 「うん、問題ないよ」

...Scene is end.

GM  いくら神居に情報渡しちゃいけないって霧谷が判っててもな。
 情報収集の達成値:26出されるとな、情報出さざるを得ないっていうの。
 2回もクリティカルするなっつーの。
神居  そういうときは必殺の言葉があるよ、マグネイト。
GM  隠ぺいしないから。
 FH専用のDロイス<工作員>
 こう書いてマグネイト、と読みます。
GM  春日部恭二郎は自分の居場所の隠ぺい工作なんてしてないよ、ノーガード戦法だよ。
 ノーガード戦法だけど戦略戦術はしっかり立ててるよ。
伊弉  カムイの性格上知ったら突っ込んでくると言うことまで含めたらノーガードの方が正解。
GM  そーいうこと。
Scene 5
Side:Shibucho
しぶちょ  シーンプレイヤー割り振りありがとうだにゃGM。
 ボクはあの2人が霧の字周りでどんパチしている隙に、ちょーっと白百合ちゃんとシリアスしたいのにゃ。
GM  シリアス?
しぶちょ  正直ね、白百合ちゃんがね、心配でしかたがないの。
 だからね、『ダイジョウブ?』って聞いてみたいのにゃ。
GM  なるほどね。
 もしかしたら流れ次第で途中イベントに切り替わるんだけどそこはOK?
しぶちょ  ボクはOKにゃよー。
白百合  わ、私も構いません。
 あ、でもこのイベント入れると状況展開しすぎるか?
 そもそも想定シーン数が少なかったかなあ?
しぶちょ  足りなかったら増えるし増やすモノにゃ。
 今はそもそも状況がほとんど動いてないしにゃー。
[Scene 5 environment]
 Side:Shibcho
 Time:about that time
 Place:The UGN branch office 3F,The unit maneger room.

Scene is start...

 Y市支部、1階。
 皆で話していた会議室、そこでしぶちょーは白百合に「ちょっとついてきて」と声を掛ける。
 階段を昇ろうとしたところ白百合に抱っこをされて、3階:支部長室へ。
しぶちょ  部屋につけばおろしてもらうために、じたじたするにゃー。
白百合  あ、はい。
 抱っこしていたところ、優しく下ろしますね。
しぶちょ  いつも悪いんだにゃー。
 降ろしてもらうととことこ歩いて机の座布団の上にぴょいん、そしてちょこんと座りまじめ顔。
「まあね? うちの支部はいつもあんな感じだけどね?
 割とこれは真面目な話ね、白百合ちゃん、だいじょうぶ?」
白百合  震える手を抑えながら「判りません……私、混乱してます……」
しぶちょ 「この状況でね、混乱しない奴なんていないと思うんだけどぉ。
 ただボクらのやることってさぁ、UGNのお題目じゃないんだけれど『日常を護ること』なわけよ。
 日常を護るってことが誰かを護るってことに繋がるんだからさ♪
 結局――そうだな、こう聞こうか。
 白百合ちゃんはさ、今護りたいものってなんだい?」
白百合  目を伏せます。
「それは……。
 私は、か、神居君を……神居君を……」
しぶちょ  まるで消え入るような声だにゃー……。
白百合 「私は別に、春日部が怖いんじゃないんです。
 私が傷つくのは良いんです。私はあのときに、既に死んだ身だからそれでいいんです。
 でもまた、目の前で大切な人が喪われてしまう――それが怖いんです」
しぶちょ 「でもそれでも、護らないとダメでしょ?
 そんなふうに手が震えてたら、前になんか進めないんじゃないのぉ?」
白百合 「……」
しぶちょ 「かみやんだってさ、あんなふざけたこと言いながらなんのかんのみんなのこと気にしてさ、頑張ってるワケ。
 ほらうちの支部、まともに戦える人員なんて少ないからにゃー」
白百合 「……」
しぶちょ 「ボクはね、確かに部外者かもしれないけどさ♪
 白百合ちゃんがそう怖がって、結局全部無くなってから泣くよりも頑張って貰いたいわけにぇ?」
 そういってから目を伏せて、喉をゴロゴロならしますにゃ。
白百合 「判ってます、頭では分かっているんです。
 でも、いざとなるとどうしてもあの時のことを思い出してしまって、身体がいう事を聞いてくれないんです」
 そういうと顔を上げ、視線は座布団の上の支部長を見据えます。
「支部長は、勝てると思いますか……?
 私達を、神居君を、この支部を、護りとおせると思いますか?」
しぶちょ  その視線を受けて、ゴロゴロならしていた喉を止める。
「そだねえー、じゃあこうしようか♪勝率を考えるのやめにゃい?」
 腰を上げてん〜っと伸びをして立ち上がるにゃ。
「“怖い”って思うのは誰でもあると思うしぃ、勝率を計算したら多分そんなに高くはないと思うのにゃ。
 相手が相手だからねーっ。
 でも、それでさっ、勝率を計算して『この位だと負ける』と判ってもぉ、だからどうするんだって話になるんだにゃ。
 ボクらがやることは玉砕覚悟かもしれないけれどぉ、ボクらが護るべきものの為に戦うのにゃらやっぱりそれは自分の勝利を信じてやらなきゃいけないことだと思うのにゃ。
 だからね、ボク的にはねぇ、勝率は100%でイイんじゃにゃいかにゃー?」
白百合 「玉砕特攻……」
 それを聞くと私の頭には、玉砕特攻した散って行ったM市支部の仲間の光景が過ります。
 胸の傷がずきり、痛む。
 涙が籍を切ることを必死で抑え込んだ、ややくぐもった声を絞り出します。
「私はそんな……。
 支部長には、支部長にはわからないんです」
しぶちょ 「んー?」
白百合 「大切なものが、とくべつなものが……大切な人が、目の前で死んでしまうなんて……それがどれほどのことなのか。
 支部長なんかに……ひとでないあなたに判るんですか!!」
GM  !!
白百合  言ってしまった言葉に暴言に、口を覆う。
「ご、ごめんなさい!」
 支部長に背を向け、大急ぎで部屋を後にします。
GM  ではその背を向け部屋を出るその寸前でイベントだ。
 トゥルルルル――
 報告等に用いられる、霧谷との通信とは違うコールが支部長室に鳴り響く。
 この音は、UGN本部からの通信のコール。
しぶちょ 「おい聞いてかないのかにゃー?」
白百合  コールを聞いても止まりません。
 そのまま立ち去ります、ばたん。
しぶちょ  白百合ちゃんが去った扉の向こうをしばらく見つめてから、はあっとため息をつく。
 ポチ、通信ボタンを押すにゃ。
GM  ザアッ――
 いかにも官僚風といった中年、家沼雄二がモニタの向こうに現れる。
「うっ――。
 噂には聞いていたがまさか本当だったとは……」
しぶちょ 「ひとの姿になってもいいんですよ〜?」
家沼 「まあそれは良い。
 さておき、Y市の支部長である……名はしぶちょーとしか聞いておらんが……君に命じる」
神居  えらそうだな。
GM  家沼はUGN上層部、絵にかいたような官僚だからな。
しぶちょ  まあボクは上への対応はしっかりとしているから心配しなくていいのにゃー。
家沼 「今、FHの強力なエージェントである“トイフェル”が君の市に居る<賢者の石>の保有者:神居獅貴を奪取に動いているという報が私の方に届いている。
 上がってきた情報を見るに、この周囲の戦力でで奴を止められる程の能力を持ったものはいないと判断できる」
しぶちょ 「まあ、そうですねえ」
 ザンネンげにしっぽをペタン。
家沼 「以前<賢者の石>を用いて迎撃するも敗北したという報告も受けている。
 このままであればFHに更に<賢者の石>を与えてしまう可能性が高い。
 もしもそうなるようなことがあれば、そうなる前に――<賢者の石>を処分するように。
 これ以上FHに<賢者の石>を与えるわけにはいかないのだ」
神居  こ、これは……
 俺を殺せっていってるの、か?
GM  そ。神居を処分しろっていってる。
しぶちょ 「……それは、猶予のない命令でよろしいでしょうか?」
家沼 「<賢者の石>の処分に関しては、貴方に全権をゆだねましょう」
しぶちょ 「上からの命令と判断は、そういうことで宜しいのでしょうか?」
家沼 「ああ、そうだ。
 だがその前に1つだ。
 勿論このことは、処分対象である神居獅貴には知られることがないように。
 彼も優秀なオーヴァードであると聞いているが、流石にかの“トイフェル”程ではあるまい。
 それでも優秀なオーヴァードであることには違いない、貴方の元にある戦力で処分するのは骨が折れることだろう。
 背後から隙を突く為にもぎりぎりまで、最期まで知られてはならない」
しぶちょ  しばらく沈黙してから改めて通信スクリーンの方を向く。
「了解しました。
 UGN支部長として出来ることはします」
 急に真面目になり、返す。
家沼 「頼んだぞ」
 そういうとぶつっ――、回線が切れた。
しぶちょ  回線が切れたスクリーンを暫く見た後、はあっ……。
「かみやんはほんっと、面倒ばっかり持ってくるにゃー」
 しっぽを振りながら、この場を後にするにゃ。

...Scene is e...

 命令を受け、通信が終わる。
 黒猫は部屋を立ち去ろうと、支部長室のドアへと身体を向ける。
 ほんの少しだけ開いていた入口のドア、その先から慌てる様な足音が聞こえてくる。
 足音の主は声を抑えるが涙が抑えられずに堰を切る、パタバタと音を立てて立ち去って行く。

 足音が聞こえれば黒猫は、歩みを一度止め深いため息をつく。
 そしてまた歩を進め、己の部屋を後にした。 

...Scene is end.

GM  白百合聞いてたかーっ。
 て言うかおいしいね、この描写。
白百合  き、聞いてしまいました……か、神居君を……っ。
 わ、私、しぶちょーへのロイスを<ポシティブ:誠意>から<ネガティブ:不安>に切り替えます……。
しぶちょ  う、うにゃ〜?!
 ま、ま〜あ、今までセッションにシリアス分、ま〜ったく足りて無かったからちょうどいいといえばいいんだけどにゃー。
GM  シリアス分さっぱり足りないね、て言うかここくらいじゃないか?
伊弉  GMがそれを言ってはいけません。
GM  あ、はぁい……。
Scene 6
Side:Kamii
 シーン切り替わりました。
 てことで――
GM  いきなり分断しちまいやがったなお前ら?!
神居  いや俺しぶちょーのところに行くからね。
 支部長室に寄るなりでちゃんと合流するよ?
しぶちょ  支部長室は3階で、かみやんたちが居たのは1階にゃー。
 だからかみやんがボクらの方来ようとするならバッタリ会う位はするのだにゃー。
神居  そうだな、じゃしぶちょーの方に行こうとしたらバッタリ会った、で行こう。
 あのシーンエンドだと最初はそうだな……白百合さん、出てきてもらえますか?
白百合  あ、はい。
 (侵蝕率上昇ダイスころころ)……っ?!
神居  10?!
伊弉  白百合さん、2連続で良く侵蝕していきますね。
白百合  そ、それはっ……
 あ、あんな話を聞いた後は……っ。
GM  まさに衝動判定の如くだな、人によっては衝動判定してもいい位か。
 だいじょうぶだいじょうぶ、イベントシーン少ないから大丈夫っ!
神居  一方そのころの俺の侵蝕率は63。
しぶちょ  ボクは50ジャストだにゃー。
伊弉  43。
GM  おいちょっと待て伊弉、お前本当に登場侵蝕振ってるか?!
 いや振ってるよな、目の前で振ってるよな……てかすげえなそこまで行くと。
伊弉  登場侵蝕は1・2・3しか振ってませんからね。
 訓練のたまもの、感情なんてありません。
GM  いや、あまり侵蝕率が無さ過ぎても真面目に辛いよ?
 侵蝕率による補正ていうのがあるからねDX3。
[Scene 6 environment]
 Side:Kamii
 Time:Immediately after this
 Place:The UGN a corridor.

Scene is start...

 支部長室に向かう神居と伊弉。
 途中駆けだしてきた白百合とバッタリはち合わせる。
 白百合は青ざめた顔で口を手で覆う。

 白百合の姿をみると手を振り声をかける神居に、ばたばたと駆け寄る白百合の構図。

神居 「あ、白百合さんちょうど良かった。
 さっき霧谷さんから通信入ってね、春日部の場所判った。多分この辺に居るよ」
白百合 「……っ!」
GM  まあそりゃ、絶句もするよな―……
白百合  神居君にしがみ付きます。
「ダメ、行かないで」
神居  うーん……?
 白百合さんの肩をポン、叩く。
「まあ大丈夫。
 確かに今までの中だとさ、なんつったっけ……“トイフェル”ツー位だしスゴいんだろうさ。
 でもそもそも狙われているのが俺な以上、座して居るよりはこっちから行った方が早いって思うんだよな。
 あっちがそんな悠長なことしてるんだったら先に叩いてやる。
 なぁに大丈夫、結構あることじゃん?」
しぶちょ  本当に結構あることだからにゃー。
 そのたんびにかみやんが潰してるにゃ。
伊弉  ハリセン顕現、カムイの頭をぶっ叩く。
神居 「ぶへっ?!」
 前にガクっ、白百合さんの方に倒れ込む。
白百合 「キャー?!」
伊弉 「そういう性格だってわかっているから、何度か良くあったからこそ相手も居場所を隠していないんでしょ?」
白百合 「神居君、神居君しっかり?!」
伊弉 「だから余計に“突っ込むな”って言っているの」
白百合 「ひ、ヒトミちゃん!?」
神居 「でもな?
 このまま待っててもジリ貧なんだよね」
GM  春日部恭二郎の圧倒的な指揮能力、そして戦闘能力。
 いつ襲われるかわからないこの環境下……
神居 「で、ある以上。
 罠だと判っててもこっちから動いた方がイイと思うわけよ」
伊弉 「否定は、しないけどね……」
 物凄く呆れてます。
GM  奴の完璧なプランを覆すには、予期せぬ一打が必要なのかもしれない。
伊弉  GM、カムイのロイスを<ポシティブ:畏敬>から<ネガティブ:隔意>に変更します。
 間違ってない、けどついていけない……。
神居 「あっちがそんな悠長にしているんだったら、こっちから先に行ってやる」
白百合  ぷるぷると首を震わせながら話します。
「だって……だって、死んじゃうかもしれないんだよ?」
神居 「だけどさっ。
 ……んー、何て言ったらいいのかなあ……そうだ。
 白百合さんさ、護りたいものって何?」
白百合  ぼっ!
 顔を真っ赤にします。
  白百合は、神居に対して淡い恋心を抱いているんですよ。
神居  それには気づかない。
「俺はね、大切な友達を護りたいんだよ。
 それは勿論伊弉だってそうだし白百合さんだってそうだし、しぶちょー……もそうだし」
しぶちょ  今ボクの分だけ間があったにゃー?
神居  “友達”、って表現するには遠い、かな〜って、ね?
「したらさ、結局俺のせいでこういう風に友達までピンチになっているわけだし、護りたいものを護るためには行くしかない時もあるっしょ。死ぬかもしれないけど、ね。
 俺はこの支部の中では一番オーヴァードになってからの時間は浅いけど、結構そういう体験はしてきてる。自分の命、覚悟くくってやるっていうのはある程度慣れてる。
 大丈夫、何とかなるよ。
 だからさっ、たまには――信じてくれよ」
白百合  顔を真っ赤にしたまま、はぁ……と感嘆のため息をもらします。
GM  ズルいな、惚れた男のセリフは。
伊弉  GM、2人に気づかれないようこっそりとこの場を離れます。
 シーン退場とは違いますが、見えないところへ。
GM  ん? 距離を取るんだね、OK。
しぶちょ  そぅっとイサナちゃんが2人の傍から離れると、階段のところでこっそり聞いてるボクとはち合わせるにゃ♪
伊弉  支部長を抱えて聞いていましょうか。
白百合 「一つだけ聞かせて?
 どうして神居君はそんなに自分のことが信じられるの?」
神居  一瞬、きょとんとする。
「ん〜……価値観は違うかもしれないんだけどさ。
 自分を一番信じられるのってやっぱ自分自身なワケなんだ。
 したら、自分を信じられる為には色々やらなきゃいけないワケで、一応“自分を信じる為に出来ること”はやってるツモリ」
 神居はおおっぴらに公言することはほぼありませんが、一人で夜遅くまで訓練してたり人目をはばかって訓練したりといった努力を積み重ねています。
 その光景自体はY市支部の面々もたまに目撃することがあったりなかったり。
神居 「ここまでやってる自分を、俺は何時も信じてやってる。
 だからさっ、やっぱり不安かもしれないけれど、たまには信じてくれよ。
 じゃ、行ってくるわ」
白百合  え?!
 ってその“行ってくる”って……。
神居  もちろん春日部恭二郎のところに殴りこみに行く、って意味での“行ってくる”。
「てことで、しぶちょーに伝えておいてくれよ」
伊弉 「だからそれをやめろって言ってるんだろうが!!」
 どこからともなく飛んで来て、どこからともなくハリセン顕現。
 神居の後ろ頭にハリセンアタック!
  スパーン!
神居  クハッ!
GM  つーか伊弉!
 それは≪ディメンションゲート≫使ったって意味だよな!?
 周りの支部の人たちが「だからこういうところでエフェクト使わないで下さいよー!」って叫ぶぞ!
神居  バタン。
 白百合さんの方に再度倒れ込む。
白百合  「キャー?!」
  ここまでテンドン。
しぶちょ  その喧噪がある程度収集ついたころに出てくるにゃ。
「おまえらラブコメ終わったかー?」
神居 「あ、しぶちょー聞いてた?」
しぶちょ 「ん? うん。
 ま〜あ、どのあたりから聞いてたかとかは聞くにゃ♪」
神居 「というわけで、ちょっと行ってくるっ」
しぶちょ 「どこに?」
神居 「カスカベんトコ」
しぶちょ 「よし、よし、おちつこうか。今の話聞いてたのかにゃ?!
 総員で止めてたろ? 白百合ちゃん今凄い顔してるけど大丈夫かにゃ?
 かみやん、本当に行っていいのかにゃ?!」
白百合  わ、私は……顔は蒼くなったり白くなったりしています。
 涙の筋もあって顔はぐしゃぐしゃ……。
伊弉  こちらはカムイの後ろで鬼の形相、手にはハリセン。
しぶちょ 「あのなかみやん、いっとくけどぉ〜?
 今ここで特攻するとここにいる全員を敵に回すことになるんだけどぉ、かみやん的にそれでいいのかにゃ?」
神居 「そうなのか?」
しぶちょ 「そうだねぇ〜、ボクも色々立場ってモンがねえ〜?」
 白百合ちゃんをちらっと見て、急にまじめ顔になる。
「今は行くのはやめとけ、これは支部長命令だ。良いね?」
神居 「〜♪」
しぶちょ 「その顔やめろ」
神居  さっき同様そっぽ向いて聞いてなかったふりをしているんだ、けど。
「そうかダメか――うん、判ったっ。
 支部長命令とあったらUGNエージェントとしては行く訳に行かないよなっ」
 そういって、Y市支部にある自分に宛がわれた部屋に戻っていく。
しぶちょ  大丈夫かにゃー……。
 まあとりあえずその背中に向けてひとことにゃ。
「そういうことならいいけどぉ、今行ったら“トイフェル”とすれ違ってボク達が襲われるトコまでちゃんと考えておいてね〜?」
 ボクもくるり、背を向けるにゃ。

...Scene is end.

GM  おいしい感じで〆たなあ。
しぶちょ  “トイフェル”春日部恭二郎の正確な位置は判ってないのにゃよ?
 向こうだってターゲットのかみやんがまっすぐ向かってるだなんて判るわけがないのにゃ。
 すれ違う率の方が高いにゃよ〜?
GM  まーね。
 さて別れたけど、どうなることやら。
神居  因みに俺の心の声。
「UGNエージェントとしては行くわけにはいかないんだよな〜……じゃあこれからは自由時間でっ」
伊弉  ……やっぱりな。
Scene 7
Side:Kamii
  まあ、皆様予測通りとは思いますが。
GM  神居、支部を抜け出すんだよね?
神居  もちろん。
GM  ンじゃシーンプレイヤーは連続になるけど神居、ソロ行動中のシーンを造るよ。
 ただそこに入る前に、抜け出した後のY市支部の面々の描写をしてからにしようか。
[Scene 7 environment]
 Side:Kamii
 Time:In the twilight
 Place:The UGN 〜 Unknown

Scene is start...

 時刻は夕暮れ、黄昏時の神居の部屋。
 既に窓が開いていて、カーテンがふわ〜……
益須 「あれ? 神居、神居!? どこいった?!」
しぶちょ 「まあどうせかみやんのことだから行くんだろうけどにゃー……」
 独りごちて、いつもの座布団の上で丸くなってるのだにゃ。
伊弉 「行ってきます」と支部長に一言告げて奔りだします。
 このバカ野郎……。
白百合 「わ、私もっ……」
しぶちょ 「気をつけてねぇ〜?
 アイツにあったらとりあえず、戦わずに逃げてくるんにゃよー?」
GM  益須寅蔵以下UGNエージェンツ達も「済みません、俺たちも追っかけます!!」
しぶちょ 「(おまえらはいいよどうせ吹っ飛ばされるだけなんだからさあ〜……)」
一同  たったったったった――
 抜け出した神居側。
 神居は所々に撒く仕掛けを施しながら“トイフェル”春日部恭二郎がいるであろう目的地へ。
 でもですね、そういう仕掛けや痕跡を施した方向は完全なブラフ。
 その方向に限って神居は居ないんだな、これが。
GM  読まれることを想定して仕掛け……てないんだろうな。
神居  いや想定してる。
 益須さんを代表とした俺と付き合いの短い相手や単純な相手はそんなブラフに引っ掛かかる。
しぶちょ  でもでもっ、イサナちゃんには読み切られるにゃー。
GM  そだね。
 伊弉には裏の裏、そこまで読み切って神居を追跡出来る。
伊弉 「(この状況――ったくあんだけ夜遊びするなって言っておいたのに……!)」
白百合 「あ、あれ? こっちに行ったはずなのに……」
GM  ヤバイ。
 白百合はブラフに引っかかって行っちゃったよ。
 判定はしてないんですけどね。
 神居はエキストラの処遇のみを宣言しただけで、プレイヤー陣営が引っ掛かるかどうかは任せてます。
GM  では神居。
 FHが拠点とするならここしかないだろう? 的な廃ビル群に辿り着きます。
 その3階に、人並ならぬ気配がするよ……
神居 「(ここか)」
 その扉をがっと開ける。
GM  入口から見て向こう側に椅子、サイドテーブルには通信機が一個置いてある。
 腕を組み、じっと黙とうをしているようにも見える白いスーツを身にまとった男。
 「――来たか」
しぶちょ  “トイフェル”春日部恭二郎にゃー?!
白百合  い、いきなりですか……。
神居 「いや〜。
 あんまり俺のせいで周りを巻き込まれると困るんだよね」
春日部 「君は……そうだね。
 どうやら自身の特異性を、ある程度理解しているようだね」
神居 「自身の特異性?」
春日部 「そう、君には希有な力がある。
 そういった力を、特出しているという重要さをそろそろ君にも判っているはずだ。
 他にはない、君だけの力があるのだよ」
神居  イラっ。
「はあ〜……成る程、ね」
春日部 「どうだね? ファルスハーツに来ないかね?
 君の様な希有な人材は我々も喉から手が出る程欲しいのだ」
神居 「あのな?」
春日部 「何だね?」
神居 「俺の力を“希有な力”とか”才能“とか、そういうふうに言われるのさ――一番ムカっとくるんだよね」
春日部 「ほお?」
神居 「俺は俺の力で、これを手に入れたわけだ。
 天性の、モノじゃねえんだ。
 それを、アンタみたいな物言いで、そういうふうに片づけられるのが、一番イヤなんだ」
春日部 「そうか」
神居 「そんなコトも判らない奴の言うことを聞くなんて、却下だ」
春日部 「残念だよ」
 そういうと椅子から立ち、眼鏡をクイと上げる。
「あくまでも抵抗するというのか、残念だが仕方があるまい。では力づくで君を奪わせていただこう」
神居 「だから、だからさあ……。
 そういうのをおっさんに言われるの、うれしくないんだけどさ」
春日部 「では行くぞ」
GM  ……なんだけどね、これイベント戦闘扱いなんだ。
 それでも神居、きちんと戦闘したい?
神居  侵蝕率的な問題で聞かれてるのなら俺は平気。
 演出で良いなら演出で戦う。
GM  OK演出戦で行こうか。
 ぶわっと右腕を異形の鉤爪に変化させ「君がこの私に敵う筈がないのだよ」と一撃を繰り出す。
しぶちょ  異形ってことは<キュマイラ>にゃー?
GM  そそ、<キュマイラ>の≪破壊の爪≫。
 一撃ももちろんちょ〜重いよ。
神居  攻撃を受け流す、のだけれど顔をしかめる。
春日部 「ほぉ、なかなかやるな」
神居 「お前凄いな、ほんと凄い。今まで出会った中で3番目位に凄い。
 ――無論1番は俺だが」
春日部 「その自信も今日までだ」
 続けざまにもう一撃。
神居  暫くはいなしているのだけれど、だんだん押されていく。
 反撃をしようにも反撃に出る余裕すらない。
春日部 「どうした、口先だけか?」
神居  そしてだんだん壁際の方に追いつめられていく。
春日部 「もう逃げ場はないぞ。
 さあ、これで終わりだ」
 異形の腕を振るい、重い一撃を神居に入れる。
神居  まともに食らう。
 春日部の放った衝撃が強すぎて、背中の壁ごとぶち破る。
 俺達が居たのは3階、壁をぶち破られるとそのまま下に落ちていく。
GM  それは――
神居  追いかけてくれ。
 俺はビルから落ちることで撤退を図ってる、この場で勝てないと判断した。
GM  ンなもの許すか。
 春日部の異形の腕がぐ〜んと伸びて、落ちていく神居を捕える。
神居 「?!」
伊弉  腕が伸びるということは<エグザイル>か、もしくはカムイと同様の名もなきシンドロームか。
GM  名もなきって……ああ。
 いやいや流石に<ウロボロス>はないです、<エグザイル>の≪伸縮腕≫です。
 流石にそこまで意地悪じゃないから安心して良いよ。
 レネゲイドを喰らい吸収して成長する<ウロボロス>は、<ウロボロス>自体を含めた13のシンドローム能力・エフェクトを何でも振るう可能性がありえます。
 (実際神居が≪原初の赤≫を用いてふるう≪漆黒の拳≫は元来は伊弉のシンドロームである<バロール>のエフェクト。傍に居る相棒の伊弉からレネゲイド的なものを吸収・成長したからだそうな)

 その特性上<ウロボロス>では、見た情報からシンドロームの判断ができません。
 そのことを伊弉は指してます――が流石にそれはないから安心して良いよ(2回目)
春日部 「私から逃げようなどと甘いことを考えているのだな」
神居 「ん〜……。
 ま、でもそんなに遊びたいなら――」一発殴りに行こうか。
 演出だけど≪破壊の爪≫から入って≪原初の赤:漆黒の拳≫≪コンセントレイト:ウロボロス≫
 力任せにぶん殴る!
GM  あれ? もっと上の必殺技あるだろ?
 演出戦闘なんだしやっても良いんだよ? GM許可するよ?
神居  アレはまさに1回限りの超切り札、しかも今まで周りには見せたことがない。
 だから普段の必殺技でぶっとばす。
 拳の周りに重力場が生まれる、拳が当たると同時に重力的な負荷がかかって押しつぶす!
GM  春日部が手をかざすと見えない障壁の様なものに阻まれる。
 何だかダメージが春日部に殆ど届いてないような……。
神居 「なん、だ、と……」
春日部 「おおっと。思ったよりやるではないか」
神居  今度はためしにそのエフェクトを使うフェイントを入れて素殴りをする。
GM  そこは春日部、華麗に見切って避けようか。
神居 「(エフェクトを無効化する障壁でもあるのか……?)」
GM  2撃目を避けたところに対して「隙だらけだ」と横から強烈な一撃が入るよ。
 ザク――
 強烈な横からの一撃、それでぼろ雑巾のようになり神居が吹き飛び、倒れ伏す。
 戦の勝者と敗者、それが今の一撃で決まった。

 ――その筈なのに、何かがおかしい。

 悠々と勝利した春日部の異形の腕が、ふと見ると普通の人間の腕になっている。
 春日部が解除したか?
 否。
 まだ春日部は己が意思で解除していない、なのに勝手に異形化が解除されている。

 ゆらり。
 倒れた筈の神居が起き上がる。
 春日部のレネゲイドが力の奔流が神居の方に行き、腕から喰らわれている……。
春日部 「な、なに?! これはまずい?!
 この私が、この私が手傷を負うなどとっ……?!」
 喰われかけた腕を千切って脱出する。
神居  先程とまでは全く違う、獣の様な眼と動き。
 春日部の前に回っては腕を振るい――
春日部 「これは想定外だった!」
 神居の拳が届く前に≪瞬間退場≫
しぶちょ  GMが演出目的を言った瞬間に想定をかみやんに読み切られてるにゃー。
GM  いやまあ……その方が助かります。
 演出戦前に『ボロ負けして貰います&暴走して力の奔流が春日部を飲み込みます』って言いました♪
GM  てところで、最後にゃ倒れてくれ。
神居  OK、でも演出は続ける。
 暫く狂うように暴走して、廃ビルがスクラップの山と化す。
GM  え―っと、それは……
 (伊弉に)……大丈夫? 居なかった?
伊弉  何時シーンに入っていいかGMに任すと……。
GM  悪い、入ろうとしたの止めたんだっけかイベント戦中だったし。
 居ても良いよ、ていうか居てくれこの場に。ビル倒壊に巻き込まれなくても良いから居てくれ。
神居  ドゴン、ドゴンと廃ビルを1つぶっ壊したあたりでようやく衝動を抑え込む。
 膝をつき、息も切れ、意識が遠のいていく。
「チクショウ……」
 最後ひとこと悪態ついて、バタリ。
伊弉  倒れてるカムイを見ると頭を抱えて 「遅かったか」と呟き、周りを見渡す。
神居  周りを見れば戦闘したビルが3階から露骨にボロボロ。
 向かい側のビルは完全に倒壊している。
伊弉  呆れ顔をして≪ディメンジョンゲート≫でカムイ回収、支部長室に飛ぶ。
しぶちょ  この展開は完全に読めてたからにゃー。
 どさん! と振ってきたところを「おかえり〜」って軽い調子で座布団の上から声をかけるにゃ。
伊弉 「只今です。
 これ、任せたいのですけれど……」きょろきょろ。
しぶちょ 「ネコにぃ?」
伊弉 「……彼女、居ますか?」
しぶちょ  白百合ちゃんのことかにゃー?
「ほのかちゃんねえ、益須のおっさんと一緒に奔ってっちゃったからねぇ。
 多分と〜ぶん戻ってこないんじゃないかにゃ〜?」
 その頃のブラフに引っ掛かり組はあっちこっち迷子で神居を捜索中。
 よしんば廃ビル群に到着出来たにしてもそこは倒壊したビル群、戦闘の爪痕。
 そして――探し人である神居は居ない。

益須 「クソ、間に合わなかったか!」
白百合 「か、神居君っ……っ!」
GM  ……連れ去られた、って考えるのが自然、だよね。
伊弉  確かに私が連れ去ってるわけですが……

 ――と、なると更に引っ掛かり組は必死で探すわけで、例え連絡を入れても気づき辛い。
 気づいてY市支部に戻ってくるのは相当遅くなるんじゃないっかな?
伊弉  うわ〜……って顔をします。
「……良い食事や薬の生成をお願いします、私は介抱の準備をしてきます」
しぶちょ 「わかったにゃー」
  しぶちょーは薬の生成に長ける<ソラリス>の<超血統>、薬品調合はお手の物。
伊弉  言うや否や支部長にボロ雑巾のカムイを任せて部屋を後にし、医務室へ向かいます。
しぶちょ  イサナちゃんが出てった後に、かみやんの額にぽん!と前足。
「まっ♪とりあえず生きて帰ってくれば上々だよね〜♪」

...Scene is end.