ミドルフェイズ/Middle phase section 2

【前回までのあらすじ】
 厨二病に目覚めた石堂くんが、より重症な厨二をぶっとばして、新ちゃんも厨二になりました。
 とりあえずUGNに連絡だよなあ……とは。迂闊にKillすると殖える殖える。
GM  では、セッションを開始してもよろしいかい?
PC’s  はーい。
Scene 4
Side:Arata
新ちゃんのシーンでーす。
GM  希望の行動があれば、それにともないシーン内の場所を決めます。残り2人は任意登場です。
 UGNかな。戦闘後まずは電話連絡して支部長と。
 UGN自体にはいかなくても可。
GM  支部長と会ってるシーンにする?
 うんうん。
 とりあえず最低限連絡をして、それから現状の情報等を集めたく。
GM  りょうかい―。
小春日  ならこのシーンは様子見る。
 というか支部長に会うってなると、正味他のPCはでられないかな、ごめんね2人とも。
 駆も指名手配状態だし、小春日はそもそもファルスハーツだし。
小春日  いっそ乗り込むのも手じゃない。
 (いっそ乗り込もうかと思っていたとかいえない……)
GM  ちょwwwたのしそうだから、ちょっと相談してよwww
 プレイヤーは構わないよ、って言うけどね。
 新はシーンはいる前に2人に「報告しにUGN行ってくる。ふたりは 来るな」て釘さしてから行く。
小春日 「わかりました そd( ヮ`*)」
 でもって、携帯で支部長に連絡をして、アポを取ってから、スティグマさらしてる状態(隠さない)で、そのまま正面から会いに行きます。
GM  ついてきて登場しちゃうのは自由、でいいね?w
 もちろん自由♪ キャラは釘自体は刺した、ってだけですからね。
GM  では、それでいきましょうかw

Scene is start...

 牧野市、UGN支部。豪奢なホテルのそのロビー。
 その場には、支部長の小野田麗子と護衛のSPが2人いる。
「お時間取らせてすみません支部長、失礼いたします」
 ぺこり、礼をした後に「先刻指令を受けたモノの幾名かと交戦いたしました」と切り出します。
「切真に関しましては完了――したのですが……」少し言葉が歯切れ悪く濁る。「その際に、“魔王”が転移して取りつかれてしまいました」
小野田  報告を耳にして、顔をこわばらせる。
「……転移? どういうこと?」
「こういうことです」と、頬を指差します。
GM  新ちゃんの頬の聖痕をみたSPが臨戦態勢になる。が、それを小野田が静止する。
「引き続き“魔王”の捜索には当たりますが、単純に“魔王”に寄生されたものを殺しただけでは、“魔王”は殺した相手に取りつく特性があるようです」
聖痕(新) 「……骨折り損……ククッ……」
「あ、さっきより性格悪くなってる」
小野田 「……それで。天神さん。あなたは、なんともないの?」
「最終的には自決も考慮には入っておりますが、多分、きっと」
 狂ったものが“自分は大丈夫”ということほど信用ができないものはない、だからこんな歯切れの悪い言い方になる。
小野田  ふぅとため息をひとつ。
「そんなに迷った顔をするジャームをわたしは知りません。まだ……衝動に支配されているわけではないようね」
「切真に関しては殺戮衝動に支配されていたようですが、その衝動までは転移はしないようですね。
 転移されてしまったこの痣に関しましては、良い見方をすれば追っていた“魔王”の欠片が手に入ったわけですから、この痣に対して≪止まらずの舌≫をつかえれば、情報源にもなりそう、ということです、が……」
小野田 「たしかに、今は情報が圧倒的に不足しています。今の事態は、13年前には観測されていないことばかり……」
「現状において、“魔王”の駆逐数はどうでしょうか?
 同じよう殺して転移してそのままでは、いたずらにこちらの戦力をすり減らすだけともなります」
聖痕(新) 「……なんでも……わたしの……せいに……しないで……くだ……さい……(ぼそぼそ)」
「かといえ――」
 と言おうとしたときに頬の痣からのぼそぼそが聞こえる。
「……勝手に取りついたのは間違いなく貴女だし。困ってるのも事実です」
小野田 「いまのところ確認された聖痕者の死亡数は8名。けれど転移のことは考慮していなかった。また確認が必要ね」
 8人か……もう結構殺したんだ、なあ……。
「差しさわりなければ、現時点で判明している“魔王”と、その特性も教われませんでしょうか」
小春日  切真も合わせて?
 うん切真も合わせて、でないと混乱しちゃう。
 あともう一個、これどうしよう……≪まだらの紐≫支部長に仕込んでいいか聞こうか悩んでる……いちいち会いに来るの超面倒……。
GM  ≪まだらの紐≫は仕込んでもいいよぉ。
 いちおう最初の質問で教われるやつを待ってから聞くよ! それまでに聞き方考えておくっ。
GM  “魔王”と指しているのは、13年前の完成体のこと? それとも聖痕たちのことかな?
 聖痕のほうかな。完成体のことはまた別に確かに聞きたいけど。
GM  おっけー。
【情報:聖痕】
 適正のある“魔王候補者”に憑依する寄生型レネゲイドビーイングの亜種。
 総数22の聖痕を確認したので、便宜上、大アルカナを聖痕の名称として定義付けた。
 聖痕所持者が他の聖痕所持者を殺害(または行動不能)にすると、聖痕はその聖痕所持者に吸収される。力の増大や変化はとくにしない。
 非聖痕所持者が聖痕所持者を殺害すると、聖痕が転移する。

 石堂 駆の聖痕:「No.0愚者」
 切真 一輝(天神 新)の聖痕:「No.13 死神」

 ちなみに聖痕の特殊効果(特殊Eロイス)は聖痕特有ではなく、所持者の性質に左右される。
GM  情報判定しないで教えてもらえるのは、以上かな。
 ではここで判定してOK? 支部長を[コネ:要人への貸し]のコネと見立てつつ。
GM  OKっすお。どんなことについて調べますかい?
 聖痕について、かな。
 大雑把すぎるなら、聖痕の滅し方。
GM  OK、[情報:UGN]で目標値は8だ。
 社会1、コネで+3、侵蝕率補正で+1でダイスは5D、技能は1あるから5D10+1。
 ――4クリティカルで達成値:44と言ってみた。
 44……。
GM  ぼくつかれてるのかな とんでもないすうちがめにみえたような(´・ω・`)
 なんかいろいろ教えてください♪
GM  小野田麗子の赤裸々な乙女事情を洗いざらい話さなければならないんだろうか((((゜□゜ )))
 (にこにこ)楽しみにしてます。
【情報:聖痕の消去方法(ByUGN牧野支部支部長:小野寺)】
 聖痕所持者である場合、他の聖痕所持者を行動不能にすることで聖痕を奪取して吸収することができる。この際、聖痕を奪われたものは聖痕固有の特性(特殊Eロイス)を失い、魔王候補者から脱落する。
 非聖痕所持者である場合は、聖痕所持者を殺害しなければ自身に転移させることができない。

 聖痕がひとつになり“魔王”完成体となる前に消去する方法は発見されていないが、13年前に“魔王”を滅殺することのできた唯一の適正者である“討伐者(スレイヤー)”ならば聖痕を消去することが可能、もしくはその方法を知っているかも知れない。

[“討伐者(スレイヤー)”:神谷大仁の個人情報を入手]

GM  以上です。
 次から、スレイヤー野郎に会いにいくぞコンチクショーといってもらえれば会いに行けるよ。
「スレイヤー……ですか。
 では、まずそのものの捜索・コンタクトを図ってみます」
小野田 「彼は13年前の討伐以来、UGNとの交流は絶っているの。くれぐれも……きをつけて」
「あ、あと。失礼ながら支部長の影に≪まだらの紐≫を仕込んでおいても構いませんでしょうか。いちいち情報伝達に支部長に電話や面会の手間を取らせても――と思いまして。
 情報が判り次第、傍で言っていただければ私にも伝わりますので、良ければお願いいたします」
小野田 「ええ、構わないわ。こちらからもコンタクトをとりやすいでしょうしね」
「了解です。そしてありがとうございます」といった後に≪まだらの紐≫を支部長の影に。
 目の前でさらっと影が動いて支部長の影の中へと音もなく溶け込む。
GM  では特になければ、ここでシーン終了しますよ。
 はーいOKでーっす。
 ≪まだらの紐≫をやったら、UGNを後にしますよー。

...Scene is end.

Scene 5
Side:Koharubi
では、次のシーンプレイヤーは小春日ちゃんだよー。
GM  なにか希望のシーンはあるかい?
小春日  んー、駆くんと今後の話をしたいっすねー。
GM  駆け落ちの相談だね。いいよ(*´∀`*)
 石堂くんも自動登場でいい?
 ほーい。
GM  では、希望する場所で話をするといいさ。場所はどこでも好きなところで。
小春日  戦闘した後の公園かな、新ちゃんが去ってからそのまま同じ場所で。

Scene is start...

 早朝の牧野市、某所公園。
小春日  そのまま同じ場所でベンチに座って「まあ隣に座りなさいよ」って手招くっす。
 よばれたままに隣に座り、質問してみようか。
「……春日、“魔王”とやらについて詳しいこと、わかるか?」
小春日 「さー。私が知ってるのは、13年前に作られてて、そんときも戦いがあったとかどーとか、そんぐらいっすね」
聖痕(駆) 「ツヨクテ、カッコイイヨ!(小春日の声まね)」
小春日 「そんで…………どうするっすか? これから。戦います?」
「十中八九お前らんとこが絡んでるんだろ。知ってることを洗いざらい教えろよ」
小春日 「…………戦いたくない、とは言わないんすねえ。
 私は『“魔王”の検体を確保して、連れてこい』って言われてるだけっす。作ったのは、えーっと、“イスカリオテ”の元部下だそうっすけど、当時の資料をあさらんことには判らんっすねえ」
「有無を言わさず戦っちまう連中がいるからな。魔王候補とやらも厄介だが、それ以上に今はUGNを抑えるために情報が欲しい」
 はーいはーい・・)ノ
 あらたがさっきのシーンで握った情報も、どうにかして得ておきたいなぁ。どうすっかな。
 合流したら教えるよー。
 ふーむ。ここで合流してUGN側の情報を得るのは、面白くない気がちょっとだけしている。
 じゃ合流しない方向でみてるねー。
小春日  ――ってことで調べてみたいのですが、ぢーえむ。
GM  ほいよ。なにすらべるかい。
小春日  この戦いの意味? 的なサムシング? でどうっすかね?
GM  よっしゃ。じゃあ[情報:FH]で目標値:10。
小春日  はーい、≪援護の風≫を自分に使用。[要人への貸し]も使用、 全部合わせれば10D+3、クリティカル10。
 10dx+3@10で――[2,8,7,4,3,5,7,6,5,7]+3 = 11。
 この、なに、このっ……ここまでやってギリギリってどういうことなのよぉー!
GM  あぶねーwww
小春日  まあ財産ポイントあるっすけどね!
【情報:魔王遊戯優勝者の特典】
 全ての聖痕が一人の候補生の体内にやどるとき、その候補生は“魔王”と呼ばれる存在になる。
 “魔王”は以下の奇跡をどれか1つ実行することができる。
 1:ジャーム化した者を正常に戻す力を得る。
 2:正常な者をジャーム化させる力を得る。
 3:魔王遊戯で死亡したものを蘇生(……というよりも、死亡した事実をなかったことに)させる。
 4:“魔王”たる力およびオーヴァード能力を破棄する。
小春日  ちなみに聖痕を維持したまま放置するとどうなるの?
GM  聖痕が周囲のレネゲイドをもりもり吸収しつづけてジャーム化します。
 ジャーム化してしまったら、強制的に魔王同士で殺し合うことになるよん。
小春日  ちっ。
 3番は、一人だけ? 任意?
GM  魔王遊戯そのものを“なかった”ことにするので全員。
小春日  なるほどー。
 じゃあ私が“魔王”になって全員ぶっ殺した後蘇生して、そのままお父様んとこ行けばハッピーエンドっすね!(←結論)
 4を選べば一応魔王Killにはなるんだろう、なあ……。
小春日  ふと顔を見上げると、一羽の鳩が足に紙をくくりつけて降りてくる。
 そして、それを取ると鳩はばさばさいっていしまう。
 「…………はい、どうぞ」と、駆くんに渡すっす。
 「……ん」じっと受け取った紙を凝視し……――と、ここで【殺さずになんとかする方法】について知りたいんだけど、どうかな? 前のシーンで出てるけど。
GM  いいぜ。[情報:UGN][情報:FH]、または[意志]で目標値:8で。
 じゃあ[意志]だな。ただちょっと怪しいけど。
小春日  くくく、春日一族に入れば意志判定は常に+3…………。
 入らん。
 精神2の意志は2、2dx+2で――7。1足りね。財産ポイントってこういうのに使えたっけ……?
GM  ここはカッコイイところだから、使ってもいいよ。
 じゃあ、1点使って達成値:8。
GM  では、切真の聖痕が新ちゃんに転移するとき、石堂くんの聖痕もほんのりと輝き反応していたことを思い出す。
 「(これ、相手をどうにかして無力化すれば聖痕すえるんじゃね?)」――って気づいていいよ。
 その気付きが自分の中で確信に変わっていく。勿論単なる可能性にすぎないはずなのに、なぜか、強く”出来る”と感じた。
 ベンチから立ち上がる。
「なるほどな。そうか、そういうことか」
小春日 「………………で、ですね、駆くん。ちょっと提案なんすけど」
「うん?」
小春日 「“魔王”、私にくれないっすか?」
聖痕(駆) 「軽?!」
 にやっと笑って「そうくるだろうと思ったぜ。だが嫌だね」
小春日 「なんでっすか? 厄介事、いやでしょ? 他人を傷つけるのも、好きじゃないっすよね、駆くん。
 私が全部魔王集めて、みんな蘇らせて、んで、私はそれを上に持っていく。犠牲者はいないし、元の生活に戻れて、ハッピーじゃないっすか、ねえ?」
「悪いな、気が変わったんだ。“魔王”には俺がなる」
小春日 「…………何か気もちのひかれる報酬でもありました?」
 一瞬、考えるようなそぶりをし「ああ、こういう話なら最初から言えって思ったね」
聖痕(駆) 「……Zzzzz」
小春日 「んー、そうっすかー。じゃあ、もいっこだけ質問いいっすか?」
 だが答えは聞かずに「新ちゃんや私が“魔王”になったら、それも殺して持ってけます? 駆くん」
「春日は“魔王”にさせないし、あらたはぶっ飛ばす」
 \ぶっ飛ばされる/
「……春日、お前、別に“魔王”になりたいわけじゃないよな?」
小春日 「そっすね、お仕事の都合で必要だからってだけで、私自身は特に執着はねーです。
 “魔王”の力じゃ、私の欲望は叶わないっすから」
「なら、”魔王”は俺に譲ってくれ。
 ……被検体が欲しいなら協力する」
小春日 「…………んっふっふ」
 ひょいっとベンチから立ち上がる。
「パフェにお茶代とお仕事と、友だちの頼みだったら、友達の頼みっすよねー、普通は」
 そして、そのままにやーっと笑う。
「そうだなぁ、まぁ俺は春日が普通の奴とは全く思わないけど」にやっと返す。
小春日 「うふふ、やっすねー。
 じゃあ、ちょっと危ないことに首を突っ込んでるお友達を、助けてあげようと思うのも普通っすよね?」
「はっはっは、だからお前の普通はまったくわかんねぇってば」
小春日  にやーっと笑ったまま「みんな笑ってられたほうがいいじゃんと、思ってるだけっすよ?」
 シーンエンドでいいかしらん?
 こちらはかまわぬ、シーンを終わらせにかかるとよい。
GM  はーい、では、そこでシーン切りましょう。

...Scene is end.

 次やることは決まってるな。
 シーン順がこちらに回ってくるなら、次から魔王候補をぶっ飛ばして回っていく。
GM  では、次の駆くんのシーンの前にちょっくらマスターシーンはさむよぅ。
Scene 6
Side:Master

Scene is start...

 古びた鉄塔の頂点に立つ、ひとりの男。
 痛々しいほどに白い髪。背には大きなギータケースを抱えている。

 が、そのケースの中身は、ギターではなく、血で錆び付いた一振りの大剣。

 男は、濃い紫に染まってゆく空を見上げながら
 ぶつかり合っては消え、また移りゆく、聖痕の輝きに耳をすませ
 魔王遊戯の行く末を静かに見届けている。

「……またひとり……決意したか……」

 一陣の風とともに、鉄塔の上から男は姿を消した。

...Scene is end.