クライマックスフェイズ/Climax phase

 当然のように、全員登場です。
アーリアル  (コロコロ)――8。
 さようなら、私のリザレクト……侵食率が103へ。
時夜  ――。
 さようならボクのリザレクト、104。
GM  はっ。
 リザレクトなぞさせぬよ!
 10振って115へ。
アルセーヌ  9デスネー、113ナノデース。
 ――3、94だな。
 む?
 ひとりだけリザレクトできるようですね。

Scene is start...

UGNの研究所跡に姿を現した千木良が、嘲るような笑みを浮かべながら近づいてくる。
「おいおい、懐かしいな。半年前の運命の場所ってやつだ」
千木良 「決着をつける場所としては洒落てるじゃねぇか、てめぇらをちょっとばかし見直したぜ」
 蛇のように、みるものを底冷えさせる笑みを浮かべて千木良は言った。
アルセーヌ 「……ソウデスね、アキヒト。
 キミのKYっぷりにもそのツラもソロソロ、穴空けずににイるの、限界です」
千木良 「まぁそういうなよアルセーヌ。
 さてと、結構てこずらせてくれたけどよ、ここでしまいにさせてもらうぜ」
アルセーヌ 「……イイでショウ、因縁モ、運命モ嫌いな言葉じゃアリません。それが神の御導キなら」
時夜 「そうだね。
 決着をつけるには、君の存在が邪魔だ――パンダースナッチ」
 あら可愛い。パンダースナッチ……。
「……千木良。もう二度とアンタに何も奪わせない」
千木良 「おやおや、友情ごっこのハジマリかい? まったく、その女は俺たち以上の化け物だってのに、そいつを守るために命をかけようなんざ、どうしようもねぇお人好しだなぁ」
GM  薄ら笑いを浮かべていた千木良が、あからさまな嫌悪と侮蔑へと表情をゆがめる。
千木良 「全くもってきにくわねぇ。
 とっくに怪物(オーヴァード)になってる癖に、いっぱしの人間気取りの半端者どもがッ」
アーリアル 「な、なりたくてなったんじゃないっ!」
千木良 「そうかい。だが事実お前らは怪物なんだよ。
 永見孝三は強情なやつだったが、所詮は人間。すぐに壊れちまって俺のことを全然楽しませてくれなかった。
 だが、俺と同じオーヴァードのてめぇらなら、退屈せずにすみそうだ」
「……そういう人でしたね。
 そうだともっと早く知っておけば半年前――このようなことは起きなかった」
アーリアル 「ち、違うもん……怪物じゃない……、い、一緒にしないでっ! あなたが一番化物だっ!」
千木良 「支部長さんもさぁ、もうちょっと頭の螺子を外したほうがいいんじゃないかい? そいつは危険な化け物だぜ? いいのかいUGN。それを処分すんのがあんたの仕事だろうが。
 ま、あんたがどうしようが俺が貰っていく以上関係ないがね」
「今真っ先に処分すべきは間違いなく貴方です。
 仲間の痛み、苦しみ、その万分の一でも味わって逝きなさい」
時夜 「いやだなあ。
 だからボク達はいるんだよ? 共生してどう生きるか、共生に足る相手なのかってね。
 ボク達をどう使うかは宿主次第だけど、ボク達にも意思はあるんでね。
 そこで怪物だ人間だって線引かれてもツマンナイし困るんだよね。
 とりあえず喚いてるダケの狂人に、殺した仇に、脅かそうとする敵に、迎合する程まではお人よしじゃないよ」
千木良 「ぼうず、てめぇがなにをいってるのかさっぱりわからん」
時夜 「判んなくて良いよ、ボクも君と判りあう気ないから♪」
このやり取り、補足をいれると千木良は現時点で時夜がレネビであると気づいていません。
そもそも、現時点の歴史ではレネビの認識そのものがUGN/FHの一部にしか浸透してません。
アルセーヌ 「ハッハァ!  “化け物”……そうかも知れませんネ、結構デス。
 キミに何を言われよウと、問題ではナイ!」
「彼女については――監視はつける予定ですが」
 ちらり、と弓為君の方を見て、バンダースナッチに向き直る。
「まだ危険と判断するには早計ですから。さ――分かった初めましょう?」
 “彼女”に声をかけます。
「下がって、ここは僕達だけで大丈夫だから。キミ達家族の仇を、今ここで討つ」
千木良 「さて、おしゃべりが過ぎるとまたそこの神父崩れに説教されちまうかねぇ。
 さぁ、その女を手に入れる前の余興だ。相手をしてやるよ。せいぜい良い声で鳴いて、俺を楽しませてくれよ。
 来な! 俺の可愛いペットども!」
GM  千木良が叫んだ瞬間、彼の足元から赤の獣が3つ、吼え猛りながら出現するッ!
「ああ、俺もアンタにはいい加減頭にキテるんだよ!
 御託並べてないでとっととかかって来い!!」
 すぅ、と深呼吸を1つ。キッと相手を見据え一言。
「全員、戦闘配置に。バンダースナッチを――撃破します」
アルセーヌ 「ヤー、マイマスター。イットースゲー痛っい天罰、くれてやります」
GM  クライマックス戦闘に突入します、全員衝動判定を! 目標値は9。
衝動判定、コロコロコロ――。
アーリアル  回った回った、ダイジョウブっ……っ。
 でも侵蝕がっ……115へっ……。
アルセーヌ  ここが正念場デース。121になって成功デスヨ。
 トイウカ誰も失敗しませんでしタヨね?
PC’s  (こくこく)
GM  君たちから5mの位置に血の獣が3体、そして更に5mの位置に千木良がいます。
 君たちは同一エンゲージ、獣3体が同一エンゲージの状態からスタートです。
 セットアップ:千木良・獣ともに宣言なし、PC側宣言ある方どうぞ。
 行動値:8、セットアップ:≪戦術≫≪ファンアウト≫≪常勝の天才≫の使用を宣言。
 全員≪ファンアウト≫の効果で戦闘移動を行って下さい。
 また、このラウンドのみ振れるダイスが+6、ダメージが+24されます。
「一気に行きます。作戦、18、33、54です」
 全員に通達後、バンダースナッチに「……元UGNでしたら、分かる記号ですよね?
 どうぞ、看破してみて下さい」
千木良 「ふん、俺は元々一人部隊でねぇ! こいつらが居ればそんなものは必要ないのさ!」
アーリアル  5m下がってエンゲージを独立させます。大慌て。
時夜  ボクも5m下がりまーす、でもアッちゃんとは別のエンゲージ。
アルセーヌ  んー……バラけると行動値:27ノ狼が厄介デスが……?
 いえ、イニシアチブ・フェイズで割り込みが入ります、入れます。
 と、言うわけで弓為君とアルセーヌさんも動いて下さい。
アルセーヌ  アオイサン、それって……イヤ。デハ普通に10m、下がりまショウ。
 なら18m全力で下がります。
ファンアウトで配置は――

――こんな感じになりました。
バンダースナッチは点線のエンゲージを形成、PCたちは全員別エンゲージを形成です。

 あら、最前列。
アーリアル  え、待っ……?! 相対的に最前列になっちゃっ……?!!
アルセーヌ  ごめんナスッテ、お三方。
 エンゲージすると攻撃できなくなっちゃうから、つい全力で……(笑)
時夜  大丈夫アッちゃん、付き合ってボクもいるからさっ♪
GM  ……。
 大丈夫なのですかねこのPCたち。
 ちゃんと各々の攻撃距離と得意なこと、考えて動きましたかね?
GM  今回、シナリオに書いてある範囲で千木良脳になってデータを運用しますからね。
アーリアル  うっ、ひっくっ……行動値:7、セットアップ:≪サポートデバイス≫
 周囲がビキビキと凍りついていきます……。
 イニシアティブフェイズ:割り込み行きます。
 ≪ブリックリーク≫、対象はアーリアルちゃん。
 ただちにメインプロセスを行ってください。これにより行動済にはなりません。
アルセーヌ  やっぱりノイマンの120%エフェクト?!
 アオイサン、還ってくる気アリマスカアアアアア?!
 ここでバンダースナッチを全滅させることが出来れば仕事にはなります、頑張ってっ。
アーリアル  メジャーアクション:≪コンセントレイト:モルフェウス≫≪ペドリファイ≫≪ブリザードブレス≫≪クリスタライス≫、攻撃対象は……3匹の犬に攻撃します。
「うわああああああああああああああっ!」と叫ぶと、周囲がヨリ無差別に凍りついていく。
GM  どうぞ、全員リアクションは行いません。
 作戦18番、33番、54番。
 3つの数字が決定する初動――それは、言ってみれば『出し惜しみなし』
 切れる強力な札を先行し、イニシアチブを取る。
 ――侵蝕は27上昇で、168へ、と……。
アーリアル  攻撃力26のダメージ43点、装甲無視。
 無差別だけど、特に狼たちの体が結晶化していくっ……!
GM  43、点……?
 なんか2点残しで全員生きてそうな……。
GM  一撃で狼の四肢が吹き飛んで……しかし、飛散した血液が再度集まり狼の形を再生していく……!
 惜しいねえ、真君正解ですよ。
アルセーヌ  ……?
 チョット待ってください。アーリアルさん、計算が変ですよー?
 ダメージロールは3D10+38、3D10で3・3・5ト振ったら合計は49点デース。
アーリアル  あっ?!
 あ、ナイスアルセーヌさん!
GM  ……べちゃ。再生無理でした。
時夜  狼可愛い。
アーリアル  お、おお、OKOK、格好良く決めますっ……。
 倒れなかった狼たち、それらが一斉に牙を向きかけた瞬間――結晶となって砕け散る。
アルセーヌ  ワンコ……スッゴイカワイソッ!
GM 「やるじゃねーか!」
 では行動値:17。千木良は叫んで戦闘移動、22m後方へ。
 そしてコンボ:“殺劇の血風”、対象はアーリアル――47。
アーリアル  雄々しく回避っ――無理、8……。
GM  30点の装甲値有効をどうぞ。
 結晶となった狼の血液から、どろり、と溶け出した赤い風。
 それがアーリアルの身体を削りとっていく!
アーリアル  キッチリ0っ……! のでバンダースナッチのロイスを取って即昇華。
「うわぁぁぁんっ! 私は化物じゃ、なあああいっ!」と叫んで起き上がる。
GM  更に行動後に≪夜魔の領域≫を使用。未行動の行動値0になりました。
 次はアルセーヌの番です。
アルセーヌ 「サテ……子供タチが頑張っテルのに、ボクがだらしなくちゃ、いけマセンね……。
 ホンキで、迎え撃ちまショウ」
 慣れた動作でサブマシンガンを構え、乱射する。
 硝煙の臭いと銃口炎(マズルフラッシュ)だけがその銃が飾りでないことを示していた……が、煙が晴れた時……――29で攻撃!
GM  射程が足りません。サブマシンガンの射程は20m、ただ今の彼我の距離は42m。
 アルセーヌが10m下がったのを見て千木良も射程外まで下がってます。
千木良 「変わってねぇなぁアルセーヌ! それじゃあ俺には何年たっても勝てんぞ!」
 煙の中でせせら笑い、ほくそえんでいる……。
アルセーヌ 「……シィット!」
GM  再行動宣言を許可します、再度宣言をどうぞ。
アルセーヌ  ≪光芒の疾走≫使ってもビチクソワンコに届かない……シット。
 支部長の脇に移動シマス、同エンゲージ。こうなったらカバーリングシマスヨ。
GM  くっ、このタイミングで犬が生きていれば届かない射程のままで釘付けなのに!
 では次、真のターン!
「おあいにく様」
 そういうと光の泉の“領域”を広げます。メジャーアクション:≪コンセントレイト:オルクス≫≪縛鎖の空間≫≪茨の戒め≫≪絶対の孤独≫≪マスヴィジョン≫
「昔、ここに落としたものをもう拾うことは出来ない。
 けど、僕は失った人の事を絶対に忘れない。……もうアンタも沈むんだ。永遠に」
 光が次第に強くなっていって、千木良をかき消そうとします! ――37!
GM  回避はしようがないな。ガードもできないな。食らうわ!
アルセーヌ  護りの手段、乏しいからねーブラム。
 「死ぬまでそこでもがいてろ。千木良」
 4D10+46の――69点。ダメが通ったら放心と重圧と硬直とダイス−4をどうぞ。
GM  ん? なんか変なダメージと状態異常が来……って、それは痛い! 固定値46?!
 そんな数値に異常とかつける手段があったのか……。
 ≪マスヴィジョン≫絡めただけだけどね。
 あとは支部長のセットアップの支援。
アルセーヌ 「ハッハァ! キミも変わりませんね、心臓止める術(≪冥府の棺≫)もっといた方がイイ……ボク、アドヴァイスしたノニ」
GM  次、アーリアル。
 いえGM、私のが早いです。私が行動値:8、彼女が7。
 アーリアルに対して≪アドヴァ……≫
アーリアル  イニシィアティブ時と同じコンボで攻撃!
「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろおおおおおおおおっ!」
  ――27!
 ……あらフライング。
 ≪アドヴァイス≫飛ばそうと思ったのだけれど……。
 葵さん、これ以上は動かない方がいいんじゃ……。侵蝕率が怖すぎる。
アーリアル  Eロイスがないのだから、もう動かないでくださいっ……!
アルセーヌ  アオイさんはもう十分キツイデスヨネ、≪アドヴァイス≫は封印デ。
 侵蝕率的にこのターンで目処がつかないと終わるので、全力を出して後は死ぬ。
時夜  ダイジョウブ、パンダースナッチの攻撃事態は請け負うからっ…… 憎悪、付けるから……。
GM  ぱんだー!
パンダースナッチじゃありません、“バンダースナッチ”です。
半濁音じゃありません、濁音です。
GM  とりあえず宣言をくださいな。
 葵さん……ここは無理する所じゃないって。
 ではそのままとして、待機宣言します。
「アーリアルちゃん。落ち着けば大丈夫だから……」なだめながらアーリアルのほうを向き。
「……あの子は、もうちょっと制御の練習が必要ね」と、【庇護】/不安でアーリアルにロイスを取ります。
GM  ではえーと、改めてアーリアルですね。どうする? 振りなおす?
アーリアル  振ったのでそのままでっ……!
GM  じゃあ回避ふってみるか!
 5D10+2で――20、無理! ダメージください。
アーリアル  ≪常勝の天才≫ってラウンド中有効なんですよね……49点装甲値無視。
GM  まだ、まだやれるっ……! オートアクション:≪不死不滅≫を宣言。
 戦闘不能を回復しHpを50に……
アルセーヌ  マコト君が打った攻撃で重圧ついてるカラ、オートアクションのエフェクト、使えませんヨー?
GM  ……あ。
 ≪不死不滅≫を使用……できない?! 重圧ー?!?!
「……千木良。僕の領域の中でオートアクションが使えるとでも思ってるのか?」
千木良 「ば、ばかな。オートアクションが使えないだと……」
何を言わせてるんですか。
 いや、つい(笑)
GM  ついでに言うと≪滅びの遺伝子≫も使えない……。
 ここで戦闘終了です。
時夜  まさにサンドバックなパンダースナッチ。
 何と言う展開に。弓為君……恐ろしい子っ。
アーリアル 「うぁぁっ!」と叫ぶと、渦巻くような風が周囲を一瞬で駆け巡り、バンダースナッチの表面が完全に結晶化している。
千木良 「こ、この俺が……負ける……? 馬鹿な……ありえ……ねぇ……」
アーリアル   それをやった本人であるアーリアルは、そのまま泣いてへたりこんでいる。
 ――ので、誰か好きにトドメを刺せばいいと思います!
GM  アルセーヌさん呼ばれてますよ。
アルセーヌ  じゃあ美味しいとこ持ってイキマスネ。
千木良 「ま、まぁまてアルセーヌ、これは何かの間違いだ。こんなはずじゃ、こんなはずじゃねぇんだ……! はは、悪かったよ。な、謝るからさ。おちつけって、なぁ、おい」
アルセーヌ 「“バンダースナッチ”……そう、キミの獣、名前つけたのボクでしたね」
千木良 「そうさ。そうだ、お前がつけたんだ。俺とお前の仲だろう?」
アルセーヌ 「友情、と呼ブにはもう違い過ぎマスが……キミとボクにも絆があっタ、だから……」
 カチャリ。マシンガンを掲げノズルを彼へと向ける。
「ボクがキミを送りマショウ」
千木良 「おい、ちょっと、まて、まてって、まてまてまて」
アルセーヌ 「……Bonne nuit(おやすみ)“バンダースナッチ”。
 また、会いマショウ、いつの日カ。今度は地獄で。その時もキミに説法しマスよ?」
アーリアル  その瞬間、ぼきっ。
 バンダースナッチの右腕が折れて、地面に落ちて砕け散る。
 ――パリーン。
アルセーヌ  銃声が一つ、静かに響いて……千木良昭仁を粉砕します。
GM 「ま……」
 パリン、と音が響いた。

...Scene is end.