――軟禁生活から4日目、マスターマインドから連絡が来た。
……しかしながら、その文面やら何やらを見る限り、どう考えても別人
拘束状態で確認しつつ、真偽をハッキリさせておくべきと判断し、黒先生を説得して、N市で情報収集に使っていたビルにて待ち合わせているのである
砂我 羽遊
「いやー……4日もあの部屋に拘束されていたら空気が美味しいですねぇ~☆
さてさて、待ち人はいずこに?」
すっと、黒い影がよぎる。
スマホを見ながら、くわえタバコをしながら。
八百井 裕也
「。〇(指定された場所は、ここだよなあ……)」
音も、香りもしない。
以前みた、異国の青年。
ただ、場所の切り取りもしていない。
砂我 羽遊
彼の姿を確認した後、《万能器具》で作ったスピーカーにて呼びかける
砂我 羽遊
「どーもです☆ 今4階のお部屋にいるのでおいでくださいませ~。
あ、無事な部屋はひとつだけなのですぐわかると思いますよ~」
八百井 裕也
聞こえてきた。
4Fに対してソナーテイスト。……まあ、なるほど。
八百井 裕也
大声で。
八百井 裕也
「りょうかいしたー、ちったーお時間かかるーよー」
八百井 裕也
壊しちゃダメだろ、位でね。
歩いていこう、てふ、てふ、てふ。
では
着いたところに真新しいテーブルと椅子が備え付けられている……
砂我 羽遊
「どーもです☆ その後いかがですか?」
八百井 裕也
「xэллоу」
まずは挨拶、手をあげて。
タバコはそのまま、ただ、香りがつかない。
《無音の空間》で、よそにつかないようにしてるらしい。
八百井 裕也
「ん-、まあ。ぼち、ぼち……」
椅子に座っても? と聞きつつ。
これ、消す? ともジェスチャーを。
砂我 羽遊
「お席は座っていただいて構いませんよー☆
……あぁ、タバコについてもそのままでいいですよ、実は――」
砂我 羽遊
と、いいかけたところで、羽遊がえずき始める
八百井 裕也
ンじゃ座ろう、ありがたく。
タバコは吸いやしないが火を小さくして、遊んでる。
八百井 裕也
「……ぉぃ?!」
砂我 羽遊
「ちょ、ちょっとすいません……これが条件なもので……おぇ……」
???
えづき、吐き出したものが、形を形成していく
菅原 黒
無形のものは徐々に形をなしていき、女性と形を形成する
八百井 裕也
とりあえず即火を消して。
《高濃度酸素バブル》を展開。
はゆちゃんの回復を促そう。
菅原 黒
「ふぅ……人の体内なんぞ入り続けるものでないな、だがこれは彼女の保護のためと心得て欲しい」
八百井 裕也
「……」
「どちらさまだ」
笑みが消えた。
菅原 黒
「“血と灰の魔術師”菅原黒。
『極星』のセルリーダーだ。彼女の監察医と思って貰おう」
八百井 裕也
「りょ」
軽く両手をあげる。
「――戦闘の意志はない。どこまで信じてもらえるかは不明だがな」
菅原 黒
「羽遊が警戒せず行くのであれば敵ではないだろうさ、私は彼女の健康面の保護をする者でしかない」
砂我 羽遊
「……黒先生、そろそろ羽遊にお話しの権利譲って貰っていいです?」
菅原 黒
「おっと……失礼、私は後ろに控えていよう。
どうぞ空気とでも思ってくれたまえ」
砂我 羽遊
「……ホントすいません、会いに行くと言ったら一緒に行くと聞かなくて……」
八百井 裕也
「ただしいとおもう」
「俺が妙なマネをしたら討つくらいでもいいだろうし、」
八百井 裕也
「身体がやばいなら当然だろ。
そこを咎める狭量さはない」
砂我 羽遊
「私はそんな事ないと思って―――」
菅原 黒
「あ?」
砂我 羽遊
「……ナンデモナイデス」
八百井 裕也
「……」
「“泡”は展開した、きちんと回復しとけ」
砂我 羽遊
「ありがとうございます―――で、先の文面、貴方ですよねパニヒダ」
八百井 裕也
「……」
「証拠はいるか?」
確か彼女は“洗脳は解ける”といっていた。
彼女が天船に改造された、2年ほど前の技術そのままの洗脳術を打てば、おそらく証明にはなるだろう。
砂我 羽遊
「いやまぁそうなんですけど。
……引き取った子達の状況が気になるってことでいいんですか?
今更貴方に言うことでもないですけど、その辺ハッキリしてくれないと回答の仕様がないんですよ羽遊は」
八百井 裕也
「ちがう」
八百井 裕也
「まあ――
スレイは無理を圧してるんだ、機会を作ってくれたことにはまず感謝をしてとっとと吐こう」
砂我 羽遊
「無理というか……強制安眠の刑にかけられていただけというか……いやまぁそこはいいとして」
八百井 裕也
「変わらん。
今の俺に会うのはどの程度危険も察すだろうしな。
と、警告だけしといて、だ」
八百井 裕也
「順番はこっちから、か」
八百井 裕也
「まずは“マスターマインド”として」
「数日前。前任が、ルシフェル捜索を依頼していたわけだが、それの正式な依頼終了処理」
ケジメがあるんです、なあなあになってたから。
八百井 裕也
「からの、」
八百井 裕也
「現マインドから改めて、依頼っつーかお願いがある」
「ルシフェルの株を少し分けてほしい。
素体ぜんぶではない、髪一本や血の一滴で十分。制御研究をしたいんだ」
砂我 羽遊
「しれっととんでもない事言ってません?
一応と言いますか、貴方に改めて言うまでもないとは思いますけど……アレは相当な厄ネタです、理由がハッキリとしないうちに、ハイそうですかと答える訳にはいかないですよ?」
八百井 裕也
「しれっといってる。
だから”お願い”にしてる」
八百井 裕也
「奪う気はない断られる覚悟もしてる。それは仕方ないと思ってる」
砂我 羽遊
「……ならなおの事理由を語ってくださいよ。
信用は、それに値する理由から成り立つんですよ?」
八百井 裕也
言ったつもりだったんだが、という顔を一瞬だけする。
八百井 裕也
「ルシフェルの厄レベルはご存じ通り,FH的には爆発してもそんな困らない。
知ってる分かってる。
”だから”ルナ――ウィンドマスターに預けた、俺はそこを口だす気はない。
彼ないし彼女がジャーム化してもらっては、俺視点でもとても困る」
八百井 裕也
「俺はその、ルシフェルのことは識っている。
その上で、研究所を手に入れた。
俺の意向はシンプルイズベスト、消滅や対抗の手段を研究したい」
八百井 裕也
「他所には漏らさん。
もし、融通いただけるなら、それこそ秘匿レベルを最大にして研究する。
し、報酬も惜しまない」
砂我 羽遊
「……ふむ」
八百井 裕也
「もういちどいう」
八百井 裕也
「断ってもいい。
そこでは暴れない。無理言ってる自覚はある、信じられるか否かもあるだろう」
砂我 羽遊
「……断る断らない、信じる信じない以前の話なんですが」
砂我 羽遊
「当事者の意見が必要だと思いません?」
八百井 裕也
「おもう。ので、話を伝えに来た」
砂我 羽遊
「ふむ、そこまで考えていると」
八百井 裕也
こく、首是
砂我 羽遊
「……なら、すぐに回答は出せません、が。
当事者と対話の上で改めて回答する、という事であれば承れます」
八百井 裕也
「Спасибо(ありがとう)」
砂我 羽遊
「感謝されるようなことでありませんよ、結局のところ苦悩は当人にしか分かりません」
砂我 羽遊
「なので、話をした上で、『当事者』に直接意思を伝えて貰います」
砂我 羽遊
「その場は別途設けますので、後日改めて、で、いいですか?」
八百井 裕也
「ああ」
砂我 羽遊
「ありがとうございます、貴方が前のマインドと比べて対話ができる事に感謝を」
八百井 裕也
「こちらこそ」
てことで、前任マインドの依頼の終了処理をしつつ、
八百井 裕也
「マインドとしてはもうひとつ、これも無理は言わない」
「グレイブと、繋ぎたい。
より厳密には、スレイ立ち合いで、”ネズミ”と呼ばれる少女に言伝たい、てのが正しい」
八百井 裕也
「……俺単独では滅される自信もある」
八百井 裕也
「言伝たいことはシンプルだ。
“天船巴は戮された、安心してほしい”――てところ」
砂我 羽遊
「……簡単ではないですよ、彼は永劫の時であらゆるものを見てきた。
前任が死んだだけでは、容易に請け負ってはくれないでしょう」
八百井 裕也
「だろうな。なのでスレイに頭を下げに来た」
そういうと、テーブルに頭をつけ、下げる。
砂我 羽遊
「……分かりました。
《隷属の解放者》として、協力関係の構築を約束しましょう。
―――その上で」
砂我 羽遊
「羽遊で経由あれば、3つのセルと1つのマシナリーチームの協力もやぶさかではありません。
―――彼らが納得する理由であれば、ですが」
八百井 裕也
テーブルに頭をつけたまま。
八百井 裕也
「それは、ありがたい。
現行ちょっとわやわやしててな……」
きっと察するに余りある理由。
菅原 黒
「……自ら修羅の道に突っ込んだんだ、そうなるだろうよ」
八百井 裕也
「それの後悔はしてない、『極星』セルリーダー。
――とまれ、ここは感謝を示すところか」
菅原 黒
「怪我人が出れば連れてくればいい。救うことが我々の役目だ」
八百井 裕也
「……」
「ならば、」
八百井 裕也
ひと呼吸。
「――スレイは知ってると思う。
――ノアの今を」
八百井 裕也
「取り急ぎ、彼女を診てやってほしい。
それなら、な」
砂我 羽遊
「……黒先生」
菅原 黒
「了承だ、どこの誰であろうと、患者を救うのが我ら『極星』の務めだ」
八百井 裕也
「ありがとう、ございます」
再度、しっかり頭を下げる。
菅原 黒
「気にするな、我々は己の“欲望”の元に生きる者だ、ならば下げる頭など必要ない」
菅原 黒
「己の約定と欲望の下に踊ればいい、そうだろう?」
八百井 裕也
「……」
では、頭を上げよう。
八百井 裕也
その上で、ゆっくりと、首是する。
砂我 羽遊
「ふふっ、貴方のそんな様子は新鮮ですね☆
安心してください、これから協定を結んでいくことになるのですから、私達は一蓮托生ですよ☆」
砂我 羽遊
「この世界が地獄だとしても、そこに楽園を築くのが羽遊達の役目ですから☆」
八百井 裕也
ふふっ、と笑う。
八百井 裕也
「それは、ありがたい」
きっとはゆちゃんがよく見てた表情、よく見てた雰囲気。
八百井 裕也
「ンじゃ、今度は
“常夜の祈り”として」
八百井 裕也
「いうて今しがた、1つはそっちから出してくれたんだよな。
《今後ともよろしく》ってやつ」
八百井 裕也
「なのでさくっとな?
19日からこっちまで、いろいろしてくれたよな。
それのお礼と、報酬のツメ」
八百井 裕也
「なにがーいいー??
聞くのもアレだと思ってんだが、即物的なの意味ないだろ、スレイ」
砂我 羽遊
「まぁそうですね~貴方の方がその辺りの調達力が高いとはいえ、物はそこまでなんですよねー……」
砂我 羽遊
「……あ、なら」
砂我 羽遊
「今度一緒にご飯でもどうですか?
羽遊の知らない穴場があれば教えて欲しいなって☆」
八百井 裕也
ん? て顔。
八百井 裕也
「いや、いいけど。
何なら今からイくけどさ。
N市? それ以外?? 好みとか時間帯とか欲しいぞ???」
八百井 裕也
「何ならマセナリーやセルもコミでいいぞ??」
砂我 羽遊
「んー、できればN市以外ですかねー。
いやね? 接待とか打ち合わせとか、諸々する上でお食事って大事なんですよ」
砂我 羽遊
「美味しい食事を食べることが出来る、これは日本では大事なファクターなんですよ。
円滑なビジネスには重要なことなんです」
八百井 裕也
うんうん、わかるわかるな顔。
砂我 羽遊
「でも、羽遊の個人の主観だけじゃ狭まっちゃうんですよ、だから色々と教えて欲しいなって☆」
八百井 裕也
「酒飲めない女子と酒飲めるヤロウだとだいぶ視点変わるしなあ。
オーケー、そこらもすり合わせようか」
八百井 裕也
「いまから?
――はー、」
黒さんを見る、どうなんでしょうその所。主に彼女の状態。
菅原 黒
「むしろ連れて行ってくれ。
そいつを健常状態に保つにあたって食事を取らせてやる必要がある」
八百井 裕也
「……食べてない奴?」
菅原 黒
「お前のポメラニアンの食事を食った時の事を思い出せ」
菅原 黒
「それが答えだ」
八百井 裕也
ぁー。
八百井 裕也
「り」
「まあ俺もちーと無茶して脳のエサばっかだったからなあ。
ジハド解除したらすっげー詰められた、セルメンに」
八百井 裕也
「んじゃそれも兼ねて、身体つくりが先かなあ……。
食事とって、教える塩梅でいい?」
砂我 羽遊
「それでお願いできますか?
……黒先生、あんまり睨まないでください、ちゃんとしますから……」
菅原 黒
「……パニヒダ、これは私の医者としての名刺だ。
そこの馬鹿が何かくだらない事を言い出したら即呼び出せ」
菅原 黒
「即、締めに来る」
八百井 裕也
受け取りましょう。
その上で、「これはご丁寧に」と、彼女に音楽事務所:ぐれごりおの名刺を渡す。
八百井 裕也
「うちの事務所は[仮面の店]だ。
そのまま、俺に直で来る。
なんぞあったら呼んでくれ、たぶん大概に力になれる」
菅原 黒
「あぁ、頼りにさせて貰おう」
砂我 羽遊
「……何で羽遊を放置して仲良くなってるんですか? ねー? ねー?」
八百井 裕也
「ん? 嫉妬か、スレイ」
砂我 羽遊
「羽遊は放置されると寂しくなるんです! という訳でご飯行きましょご飯!」
八百井 裕也
「おう」
そういうと席を立つ。
「今日はこの席を設けていただき、ありがとうな」
八百井 裕也
笑みを浮かべ、軽く投げキスをして。
「――今後とも、よろしく」
砂我 羽遊
「はーい☆ 今後ともよろしくお願いいたしますね☆」
満面の笑みで返しましょう