◆---------------------------------------------------------------◆
GM:バンッ
GM:ドンッ
アゼル:ぴゃあ!
GM:(土下座)
ザミエル:ズアッ
GM:久々のGMで私情遅刻申し訳ない! 以上!
カーラ・コーネリアス:すっ
アゼル:あはは、こんでーすよ。おつかれーですよ!
カーラ・コーネリアス:おつかれさまです
ザミエル:頼まれごとなら仕方ないネ!おつかれさまですよー
GM:はい、では皆様お時間拝借。ダブルクロスのお時間です。この度はお集まり頂き、誠に幸甚です。
GM:当方GMは数千年ぶりですが、先にもありましたようにお手柔らかにお願い申し上げます。
GM:んで堅苦しいのはここまで。やるどー!!!
ザミエル:おおー!!
アゼル:(ラピッドファイアをがしゃこん)ヤるぞー!
カーラ・コーネリアス:いえー
GM:緊張しながらわっくわく。トレーラーの宣告をしてからPC紹介お願いします。
ザミエル:リーダー、アゼルが物騒なモン構えてまーす!!
カーラ・コーネリアス:<とりあえず押さえとけばなんとかなる
アゼル:<ああ? モヤシが俺を抑えようとか片腹いてえわ!!
ザミエル:じり……じり……(距離を詰める構え
GM:おらーひっこめー!
◆---------------------------------------------------------------◆
“不老不死”。
それは古来より、万人が求めて止まぬものである。
不死の力を与えると言われる《死者の宝冠》
それを求め、豪華客船に潜入したものたちに待っていたのは――血煙る地獄。
その中で愉悦に身を浸して笑う――不死なるもの。
Double Cross “the 3rd edition”
『Deadman’s Crulse』
ダブルクロス――それは、裏切りを意味する言葉。
◆---------------------------------------------------------------◆
◆----------------------------------------◆
――PC1、“アゼル”黒田 兼光。
ヴァーチャーセルの問題児筆頭。
◆----------------------------------------◆
GM:ご紹介よろしくお願いします。
アゼル:「っせーな問題児問題児いうなや、紹介くれーやれるわ!!」
毒づいてからコホン、咳払いをし。
愛用が大型銃・ラピッドファイアを縦に構える。
アゼル:「“イスカリオテ”が派閥が1、《ヴァーチャーズセル》が所属。コードネーム、アゼル」
アゼル:「見ての通りっちゃそれまでだが、銃撃戦を筆頭とした戦闘要員。俺の前にはだかるやつは赦しはしねえ、悲鳴も遺言も残らずちり芥にしてヤんよ」
アゼル:「シンドロームはエンジェルハィロゥ/ハヌマーン。まあよくある射撃屋だ射撃屋」
アゼル:#なお演じ手がつっこむと「お前のレベルがよくあったらUGN筆頭とっくにぶち壊れてるわ」と思ってます。
GM:むはは
アゼル:「ぇーあー、後なんか説明することあるか?」
GM:PC1にご質問とかありますか?
GM:よし、GMから質問。改めて《欲望》についてご掲示を~
アゼル:「オーライ。つっても言ったよーなもんじゃあるんだがな」
アゼル:「欲望? 俺が法だ」ドンッ!
アゼル:「だから俺の生きやすい世にする。こんな息の詰まったクソ世界なんざ気にいらねーからな」
GM:俺がザ・ワールド! わかりやすいッ!
GM:こんな政府と法に縛られた窮屈な世など要らぬ! FHらしく自由奔放に生きるぜ! まあセルのためには行動すっからな。 なにゃんこ様ですね。
ザミエル:ニャーン
カーラ・コーネリアス:反抗期ー
当人が口頭では説明しない範囲を説明します。
黒髪金目の褐色人種、通名は黒田兼光――とまでは言いますが、真名をアシズ・コーネリアスと言います。
とあるひととの腹違いの姉弟になりますが、「FHにおいて意味をなさない」という一点張りで口に出しません。
また基本、セルにおいては反発します。
ただそれの多くは意味なき反発というよりは、当人から見て「此方の行動のが利点がある」「ここで反発行動とって餌にしたほうがクズを釣れる」みたいなところが多いです。
説明を基本しません、敵をだますにゃ味方から。
短絡すれば反発ニャンコ、自由奔放ゆえに「秩序がない」。
では秩序なきところでどうやって生きるかが力や出し抜きに該当する。
猫は巣につく。
セルは現在自分の《巣》にしているため、セルメンバーを基本罵倒しますが他人が罵倒すれば導火線からの地雷です。
ザミエル:「……その罵倒のバリエーションは一体どこから出てくるんだ?」
アゼル:多少呆れた顔をする。
アゼル:「アタマの中にきまってんだろ白モヤシ。それともジンセイケイケンみたいなこといったほうがいいか? あほらしい」
アゼル:「こちとらレディ・プランナーに口説かれる前から犯罪稼業してんだよ。つったって、お前みたいな純粋培養のエリート様とはだいぶ違う泥臭いものになるんだろうがなあ?」
カーラ・コーネリアス:「(おまえも大概もやしだろうに……)」
GM:もやしもやしーもやしー。
アゼル:※なおこの3名の中でほんとーにもっともモヤシはアゼルと思います
アゼル:(もやしってかひ弱貧弱ね)
ザミエル:「(プランナーに拾われる前から……初耳だった)」
GM:というわけでPC1のシナリオロイスは“都築 京香”となっております。特になければ次いきま~す。
アゼル:\ヒャッハー!!/
アゼル:サボりましたがDロイスは指定で《強化兵/Barsarker》、字面通り切れたら更地にする無慈悲な奴ですよ!
GM:ほぼ暴走のブツですが見返りは大きいネ!
GM:ではでは。
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――PC2、“ザミエル” 守屋 弓弦。
ヴァーチャーズセルの遵守忠犬。
◆----------------------------------------◆
GM:ご紹介よろしくお願いします。
ザミエル:「……忠犬。まあ、悪くは無いか」
ザミエル:「Dr.コードウェル派閥のセル”ヴァーチャーズセル”の構成員だ。コードネームは”ザミエル”。由来はオペラ『魔弾の射手』に登場する悪魔からだ」
ザミエル:「シンドロームはバロールのピュア。特別製の拳銃の銃弾に掛かる重力を操作して射撃戦闘を行う」
ザミエル:「”アゼル”と比べると破壊力で劣る代わりに小回りが利く」
ザミエル:「欲望……は、リーダーに仕える事が今の俺にとっての欲望だ」
ザミエル:「……不足な事があれば答える」
GM:はーい。なんで今のリーダーについていこうって思いました?
ザミエル:「チルドレンの中で生存ラインギリギリだった俺を拾ってくれた。俺の命は拾ったリーダーのモノだ」
ザミエル:補足:純粋培養のFHチルドレン、Dロイスは《破壊の子》、こんなナリでも日本人です。
GM:健康を志して欲しいFHランキング入ります
ザミエル:補足:今でも研究セル”ツータイム”に定期的に通っている病弱マンです
GM:PC2のシナリオロイスは“彷徨える死人”キャプテンジャン・ジャックとなっております。なんとその忠誠心や実力を買ってストーカーしてます。
GM:そんな感じに他になければ次に次に。
ザミエル:「アイツ何回殺しても戻ってくるんだが……いい加減飽きた」
ザミエル:「……Tシャツはセルの”ナベリウス”から貰った」
GM:着るものは選り好みしない感あるゾ。
ザミエル:任務以外にはわりと無頓着感がある。
カーラ・コーネリアス:「(ああ、そういえば私は赤いのを渡されてたな……アゼルもそれで何かいってたような)」
GM:ではでは。ご……次に。
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――PC3、“ゼルエル”カーラ・コーネリアス。
板挟みの《ヴァーチャーズ》セルを統括するご苦労人。
◆------------------------------------------------------------◆
GM:ご紹介よろしくお願いします。
カーラ・コーネリアス:「苦労人、ね。その苦労の3割強がうちのセル内で起こってるんだから笑えないな」
アゼル:<なんかいったかバスターゴリラ
カーラ・コーネリアス:「……コホン。ヴァーチャーズ・セル、セルリーダー。コードネームは“ゼルエル”」
カーラ・コーネリアス:「悪魔だの悪霊だのが大半のFHで天使とはな。名前を付けたやつは余程皮肉が好きと見える」
カーラ・コーネリアス:「シンドロームはキュマイラ/ブラックドッグのクロスブリード。近づいて物理で殴るだけの簡単なお仕事だ」
カーラ・コーネリアス:「とはいえ私はこのナリだ、リーチも無ければ歩幅も足りん、その上武器まで重いときた。 接近できなきゃ話にならんというのにな」
カーラ・コーネリアス:「まあ、一度射程に入ればその後は保証しよう。近づけば敵なんていくらでも殴れる」
ザミエル:《復讐の刃》まであるからネ……
カーラ・コーネリアス:「そして欲望だが……セルがあって、私がいて、部下たちがいる。この時点で半分くらいは満足してるが、敵の多い商売だからな……」
カーラ・コーネリアス:「私の居場所に危害を加えるような輩には、きつい仕置きが必要というものだろう?」
GM:キャーリューサーンじゃなかった。リーダー!
アゼル:「(へらっとあざ笑うように笑っている)」
カーラ・コーネリアス:「……さて、質問があるなら答えるぞ?」
ザミエル:「(神妙な面持ちで話を聞いている)」
アゼル:「仕事、カヴァー。ふだん何してんだよ。単純に地下に潜ってるだけかお嬢様?」
アゼル:「あと、いちおー“イスカリオテ”派に区分されるわけだが、そのイスカリオテに対してどう思ってどう対峙してるか」
カーラ・コーネリアス:「地下に潜ってるだけだが? ……いや、一応何かしら仕事に就くことも考えたが、あちこちで職業見学に来た小学生と間違われて心が折れた」
アゼル:天を仰ぐ。
アゼル:「まー……ザミエルと連れ添ってたら年の離れた兄妹だしなアンタ……」
ザミエル:リーダー……(ほろり
カーラ・コーネリアス:「イスカリオテに関しては、口だけのUGNより信用はおけると思っているよ」
アゼル:「それに関しては同感。《自分がけがれてもいい、忌まれてもいい》ツー口先だけじゃなく実行に移してっからな、あの人は。悪かない」
ザミエル:「……有言実行。実力もあるしな」
カーラ・コーネリアス:「そういうことだ」
アゼル:「ガチで共存とかして―ならあんくらいヤれっての」けらけら。
カーラ・コーネリアス:補足:Dロイスは《装着者》。アイテムはトツカを取得しています
GM:背丈より遥かに長い大剣すね。十束の剣? かな。
カーラ・コーネリアス:元ネタ的にはそうでしょうね
GM:うんうん、ほかにご質問はありますか~。
GM:じゃGMから。セルとしては規模拡大の目論見とかありますか? 居場所があれば、他に求むるものは何もない戦闘部隊、という括りでしょうか。
カーラ・コーネリアス:それに関しては後者でしょうね、あまり大きくなりすぎると内部分裂しかねませんので
GM:一人核弾頭いますしねー。大変です……。
アゼル:<ケケケ
GM:了解です。それでは足並み揃いお顔拝見いたしました。紹介誠にありがとうございます。
カーラ・コーネリアス:細かい設定等はキャラシをご確認ください、長いので
GM:一応キャラシに載ってることもログでもわかるようちょろっとふったりするのでご容赦を~
アゼル:そうしてもらえると助かりますね!
ザミエル:GMのこころくばり……
GM:ほんとに欄外なことはキャラシ見てね! ってなるけど、そこはね!
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改めまして Double Cross “the 3rd edition”
『Deadman’s Crulse』
血湧き肉躍る地獄の宴――参りましょう。
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ザミエル:わーぱちぱち
アゼル:(ぱち、ぱち、ぱち)
カーラ・コーネリアス:わーわー
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――開幕、序章。
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“アゼル”黒田 兼光。
『SCENE1・奪還指令』
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GM:あ、間違えたPC3でしたてへ。早速だよ。
カーラ・コーネリアス:はーい
カーラ・コーネリアス:カーラ・コーネリアスがシーンイン+7(1d10->7)(侵蝕率:32->39)
GM:あ、ごめんなさい先んじて。怖いので侵蝕率をお控えなすって。
GM:ので32%のままでお願いします。
カーラ・コーネリアス:はーい
GM:一応邪魔にならない範囲でならほかPCの登場を許可します。なんならセル内の雰囲気を描写してもらえると助かります。
GM:先にアジトの描写があると、やりやすいので。
ザミエル:はーい
カーラ・コーネリアス:はーい
アゼル:じゃあふだんのセル演った方がよさそうですねえ。
アゼル:カーラさんどんな盤面がよろしおす? #なお大方私は反発します
GM:にゃっは
カーラ・コーネリアス:アゼルと口論中、もしくは半ば恒例行事になったアレの折檻……?
アゼル:よしアレの折檻でいきましょうか(
カーラ・コーネリアス:はーい
◆---------------------------------------------------------------◆
――――都内某所。
とある雑居ビルに、ヴァーチャーズ・セルのアジトの一つは存在する。
特に目立つ訳でもなく、傍から見ればただの雑居ビルの一室でしかないここは、アジトとして使用するのに適している。
普段ならば構成員が穏やかに作業をしているところではあるが、その日の様子はいつもと異なっていた。
尤も、それも最近では特に珍しくもなく、ある意味では“いつもの光景”とも呼べるのだろうが。
戦闘員の1人、“アゼル”の裏切り行為及び、その上での単騎による敵対セルの壊滅。
おそらく当人も誘いを受けた時は本気であっただろう。その上で寝返った側のセルを壊滅させ、こうして堂々と戻ってきたという訳だ。
結果的に敵が一つ減っただけであるため、1度だけならば厳重注意で済ませても良いのだろうが、実情はそうではない。
すでに何度も繰り返されている光景であり、セル内では最早恒例行事となっている。
身内に爆弾を抱えていると言っても過言でないこの状況ではあるが、
結果的にセルにもたらされる恩恵の方が大きいために軽い折檻で済まされるというのも、歪な状態ではあるのだが――――
多少のすりきずとともに、けらけらと、サメのように笑っている少年がひとり。
悪びれもせずどかりとすわり、傍らのメンバーに話しかける。
アゼル:「裏工作するなら撫でる程度で更地になる方が悪ぃんだよ。大したことしてねーしな」
アゼル:「つっても、突伽天女ンところは規模・計略ともにまあまあじゃあったなー……さすがっちゃさすがだが」
アゼル:「SoGのお遊戯やらUGNのヘタれどもよりはイけやしたな。あのアマどもは」
裏切り行為は日常茶飯事。
事実出かけてしばらく消えることなんて、ほんと『ない』数を数えたほうが早いだろうか。
それというのもこの戦闘員。
セルに反抗的だわ特にリーダーに反抗的だわ、《協調性》《従順性》といったモノが欠片も垣間見えない。
常日頃から口も荒く平気でメンバーに銃口も突きつけていれば、崩そうと思い立つものからすれば真っ先に調略しようとする対象で。
――確かに声をかけられたときは、乗り気が0ではないのだが。
――問題は《その後》という、いつもの光景。
細かいことこそ報告しないが、多くは状況把握後の殲滅だからたちが悪い。
しかもはたから見たら気まぐれで、事実罵倒を聞こうものならほぼ即ジェノサイドなのでたちも悪い。
そしてまったく悪びれないところがどうしようもないあたり。
ナベリウス:「アゼルん、また“やらかして”来たのかー」
カーラ・コーネリアス:「……おまえの能力が優れていることは評価しよう。あのクランならばわざわざ死人のことを気にすることもないだろうしな」
アゼル:「強さこそ正義すからね、死んだ方が悪い」けらっ。
カーラ・コーネリアス:「だが、おまえのそういう態度は正直気に食わん。どうせ誘われた時もノリノリだったんだろう?」
アゼル:「もち?」
カーラ・コーネリアス:はあ、と溜め息を吐き、「ナベリウス、何か適当なものを作ってくれ。首が折れない辺りのもので」
カーラ・コーネリアス:「それと、だ……」差し出した手とは逆の方で、アゼルの足元を指さす
ナベリウス:「りょーかい。アゼルん、悪く思わないでねえ」
アゼル:シャコン。銃口をナベリウスに向ける。
アゼル:「思わねえわけねえだろうが――」
ナベリウス:《インフィニティウェポン》でバールのような物を作ります
――が、が、がががが。
“ラピッドファイア”を意図的に起こし、ほぼほぼフルオート状態でナベリウスへと銃弾をたたき込む。
ナベリウス:「わ、あ、ちょ、当たったらリザレクト案件じゃん!?」
カーラ・コーネリアス:がし、と銃身を掴み、ナベリウスから照準をずらしつつバールのようなものを受け取る
アゼル:「げ?!」
カーラ・コーネリアス:「誰が壁の修理をすると思ってるんだ? それはそうと熱いな、おい」
カーラ・コーネリアス:そのまま鳩尾にバールのようなものを突きこむ
アゼル:「2・3回《リザレクト》させる気だから当たり前だろボケ、くそ、はなせ!!?」
捕まれた銃身。
力づくで照準を合わせ治そうとしても、力勝負で勝ったためしのない相手。
動かせぬままに照準は散り、悪戦苦闘の最中にみぞおちに叩き込まれる痛烈な一撃。
アゼル:「グガッ……カ、」
ひざを折る。銃は意地でも離さない。
脂汗で済んでるのはまだましな方。
バルバトス:「こっちに銃口むけんnうべらっ」
ナベリウス:「ひゃーあぶなー、ヒールヒール」
カーラ・コーネリアス:「……相変わらず、強情なやつ」
呆れつつも、銃を抑える手は止めない。
が、そのままバールで頭でも割ろうものなら、後で掃除が大変だと考えたのか、膝を折って下がった頭に頭突きを食らわせる。
――どが☆
アゼル:「……クソが、バスターゴリラが……」
脳震盪を起こして目の前はゆがむ。
そのまま崩れ、カヒューカヒューと荒い息が喉から漏れる。
脂汗がひどい。死なないだけましだが骨は当然何本も折れた。
バルバトス:「ちくしょう! またスマホ逝っちまったじゃねえか!」
カーラ・コーネリアス:「またかバルバトス……というか、この状況でそんなもの弄ってるお前が悪い」
バルバトス:「流石に俺もそれは学習したッスよ! でもポケットに入れてるのに跳弾したとか予想GUYにも程が」
カーラ・コーネリアス:「とはいえ、流石にこの街中で銃をぶっ放すと思わなかった私にも落ち度はあるな……次からは縛ってから話をきくとしよう」
ナベリウス:「そーだね、今度からは少なくとも銃取り上げてからにしよっかー」
アゼル:「へっ、……趣味、じゃ……ねえ。ンな……ものザミエ……ルにでもし……てやれ……や」
ナベリウス:「で、リーダーどーする? 猛獣用の檻? 荒縄? 拘束具?」
カーラ・コーネリアス:「手足縛ってベッドにでも放り込んでおけ。そのうち再生するだろう」
カーラ・コーネリアス:「バルバトスは運が無かったと諦めろ」
アゼル:「……へっ。どうせベッドインなら……色気あるヤツを期待したいトコだがなあ……?」
アゼル:頭がぐらぐらするのを、銃を杖に無理やり立つ。とうぜんだがろくに歩けない。
カーラ・コーネリアス:「なら期待に応えて、患者用の無機質なやつにでも案内してやる」
カーラ・コーネリアス:銃を取り上げて軽く足を払う。そのままナベリウスに拘束するように声をかける。
ナベリウス:「はいよー。ボッシュ――ート!!」
アゼル:どてん。
アゼル:「は、ははっ……クソが……」
アゼル:青天状態で転がって、そのままなすすべなく拘束された。
ナベリウス:ではそのまま床材から手枷足枷を錬成してベッドに運びます。
ナベリウス:「まったくもー、ビル直すの誰だと思ってるんデスカネーコイツ」
アゼル:「てめえら」スッパリ。
カーラ・コーネリアス:「いつも苦労をかけるな、ナベリウス。残業代はしっかり出るから安心しろ」
ナベリウス:「やってることはテロリストだけどホワイト企業! いいねー!」
カーラ・コーネリアス:「働きには報酬で答えるのが、上司の務めというものだろう」
アゼル:「……。おい、リーダー」
アゼル:「その銃、てーちょーに扱えよ」
カーラ・コーネリアス:「ふん、当然だ。肝心な時に壊れて使い物にならないようじゃ困るからな」
アゼル:「そうしてもらえると、俺としても助かる」視線を合わせぬまま答えました。
そんな風に折檻があらかた済むと、カーラの携帯に着信音が鳴る――。
ナベリウス:「キャーリーダー! そこにシビれる! あこがれるゥ!」
カーラ・コーネリアス:す、と軽く手でナベリウスを制止し、相手を確認する
GM:《コードウェル》と堂々ある。滅多にかかってくるような相手でもなく、またこれも幾つかあるだろう連絡番号の一つ。
カーラ・コーネリアス:ふぅ、と軽く息を整え、電話に出る
カーラ・コーネリアス:「はい、ゼルエルです」
コードウェル:「――“ゼルエル”、宜しいか?」
カーラ・コーネリアス:「問題ありません」
GM:淡々として丁寧、しかし威圧的な声色の――間違いなく、“アルフレッド・J・コードウェル”の声だ。
コードウェル:「久しいな、壮健で何よりだ。どうも“黒の”連中と君のセルで一悶着あったと聞いているが……、失敬、いつものことだったな」
アゼル:>いつものこと<
カーラ・コーネリアス:「申し訳ありません、部下の手綱も握れない私の不手際です」
コードウェル:「――何を言うのかね。行動には確かに感情が伴うが、彼のあれには“道理”が伴っている。私までもが咎める必要もない」
コードウェル:一息吐く気配。
カーラ・コーネリアス:「……」
コードウェル:「それより、此度連絡したのには理由がある。――精鋭《ヴァーチャーズ》と見込んで頼まれてくれるか、“ゼルエル”?」
そこに“拒否”たる選択肢は与えられていないという風に聴こえるが、断る理由もないだろう。
カーラ・コーネリアス:「問題ありません、どういったご用件でしょうか」
コードウェル:「宜しい。《死者の宝冠》を知っているかね」
コードウェル:「EXレネゲイドの感染物にして、所有者に不死の力を授けるという。興味深い代物だ」
カーラ・コーネリアス:「名前を小耳に挟む程度なら」
コードウェル:「ならば話は早いだろう。その宝冠が、現在《ギルド》所有の客船“ノーライフ・クイーン”号に存在しているという。その奪取を君たちのセルに依頼したい」
カーラ・コーネリアス:「……了解しました」
カーラ・コーネリアス:「(客船か……潜入の必要がありそうだが、私の剣を持ち込めるかどうか……)」
コードウェル:「助かる。予め確認はしているが……」
コードウェル:「だが何分、そこらの小規模組織とは異なるからな。レネゲイドに関しては遅れているとは言え、念のため少数精鋭で潜入を頼みたいのだ」
コードウェル:「今目標の停泊地はY市の港。近々その船で開港祭に伴うパーティーが開催される予定だ」
カーラ・コーネリアス:「潜入の手はずについては、如何致しましょう?」
コードウェル:「身分、および招待状などの手配に関しては既にこちらで偽装済みだ。安心したまえ」
コードウェル:「ただ」
コードウェル:「――《ゼノス》も同じことを考えているようだ」
コードウェル:威圧の空気が電話越しに高まる。
カーラ・コーネリアス:「最悪、三つ巴の状態になる、と……」
コードウェル:「“戦いの女神”ミネルヴァ、ないし“彷徨える死人”フライングデッドマンの情報を入手している」
コードウェル:「奴らも招かれざる客として来訪するのは必須だろう。十二分に気を付けたまえ」
カーラ・コーネリアス:「了解しました。部下にもそのように伝えておきます」
コードウェル:「私からは以上だ。――良い報告を期待しているぞ、“ゼルエル”」
コードウェル:声色は淡々としたものに戻り、その口調には微かな期待も込められていると感じてもいい。
――速やかに、通話は切れた。
カーラ・コーネリアス:通話が切れるのを確認すると、どっと疲れたような感覚に襲われ、深くため息を吐く。
GM:あとは、自由に支度をすればいい。決行日は近く、連絡してからすぐにFHの連絡員辺りから紹介状などの宅配が来る。
カーラ・コーネリアス「さて、と……まずはあいつらへの説明だが、ザミエルが帰って来てからの方が良いな」などと呟きながら、セルのオフィスへと戻る
カーラ・コーネリアス:という所でシーンを閉じたいです
◆---------------------------------------------------------------◆
GM:ありがとうございます。ではSCENE1、『奪還指令』を終了します。
GM:次はPC2ですよー。
ザミエル:(シュッシュッ
ザミエル:#お前はなんの素振りをしているんだ
アゼル:しっぽ?
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◆-----------------------------------------◆
“ザミエル”守屋 弓弦。
『SCENE2・“不死なる”死人』
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GM:以下、回想です。今しがた出た名前にもある、“彷徨える死人”キャプテンジャン・ジャックとのおもひで話です。
ザミエル:一方的にストリーキングされてるんでしたっけ?
GM:イエス、フォーリンラブ。
◆---------------------------------------------------------------◆
――“ザミエル”、弓弦はかつて対峙した相手がいる。これは何度目だろうか。
古典的な海賊衣装をした奇妙奇天烈な男は、弓弦を見て嬉しそうに喋り始めた。
――この和やかに思えるようで殺気立った空間。
硝煙の匂いが燻り、血の匂いと色が散乱している。
キャプテン・ジャン・ジャック:「――ケヒヒヒ、久しぶりだなあ“ザミエル”ゥ! あいっかわらず死にそうなツラしてサイコーのショーを見せてくれるぜ」
キャプテン・ジャン・ジャック:「それが見たくて俺は地獄から帰ってきた」
ザミエル:「……、っ。またお前かよ」ため息をつき、血の流れる肩を押さえる
ザミエル:「久しぶりって割には頻繁にラブコールくれるじゃねえかよ……全く」
フリントロックを振り回し、カットラスを肩に担ぐ。
耳障りな笑い声を上げながら、反応を楽しんでいるようだ。
ザミエル:「で? もっと俺のショーとやらを見たいわけか?」
ザミエル:距離を取り、拳銃――特別チューンのFHG-666をくるくると右手で弄ぶ。
キャプテン・ジャン・ジャック:「カッカッカッ、そうイキりたつなよ。まあ、俺としちゃあ“目的のブツ”があってよォ」
キャプテン・ジャン・ジャック:「――ここにはなかった、チッ、骨折り損だろ? けどお前が居たからたんまり楽しませてもらったって奴だな」
キャプテン・ジャン・ジャック:「けどまだ足りねえなあ……おっと、そういやもののついでだ。《死者の宝冠》って知ってるか?」
キャプテン・ジャン・ジャック:そう男は嗤う。知っていても、知らなくてもいい。
ザミエル:「ああ、そうかい。目的のモンがあるなら、俺と遊んでる暇あるわけ?」
ザミエル:「……いいや」首を横に振る。
キャプテン・ジャン・ジャック:「おいおい、確かにオタカラはなかったが、ディナーがあってそれを放っとく馬鹿がいるか?」そんな風に添えた。
――カチンとフリントロックの撃鉄が上がる音がする。
にい、と口角が更に上がる気配。
キャプテン・ジャン・ジャック:「つまり、ご馳走は食ってブツを探すッ! ――お前との戦いってのはサイコーだからなァ!」
GM:と刀と銃を構えて襲ってくる訳ですが、ここはフレーバーでぶっ殺ししてください。オーケーです。
ザミエル:「はは、光栄なことで……ッ」
キャプテン・ジャン・ジャック:発砲し、刀を振るい、荒いながらも狙いを的確に定めて攻撃してくる――。
ザミエル:魔眼を展開し、急所への攻撃を逸らしつつ。
ザミエル:トリガーを予め引いておき、ハンマーを起こし、引き起こした所でハンマーを離し発砲、そのままハンマーを起こして離し2発目を発砲。
ザミエル:2発の銃弾は魔眼のサポートを受け軌道修正の上に質量を増し、ジャンジャックの腰骨と頭蓋骨を狙う――
ジャン・ジャックはまるで味わうように全身に砲撃を受ける。
避ける素振りがなかったのか、“魔弾”の狙いからは逃れられないのか。
弓弦の弾は、狙い定めた所にいい音を立ててヒットする。
ザミエル:「……避ける気ゼロ、かよ」発砲の隙に一撃受け、たたらを踏む。
笑い声もすら血しぶきと共に散乱していき、男はカットラスの切っ先を胡乱に振り回した。
遊びも過ぎ、宵も更け、体は悲鳴を上げている。
――だというのに、狂気に染まり上がる目つきで弓弦を捉え続けている。
キャプテン・ジャン・ジャック:「カッカッカッ!! やっぱ“ザミエル”の弾はいい当たりだ! ウマすぎて死にそうだ!」
キャプテン・ジャン・ジャック:「これで……終わりなんてよォ!? 勿体無いだろォ!?」
キャプテン・ジャン・ジャック:「……ったーく、《死者の宝冠》さえありゃ、もーっと楽しめるってのによ」
キャプテン・ジャン・ジャック:「ハア……仕方ねえ、“また”逢おうぜェ!」
ザミエル:「シツコイ……な!」
ザミエル:もう一発、ハンマーを起こしトリガーを引く。乾いた発砲音がもう一発。カットラスを持つ腕を狙う。
いい終えるか終えないかの間に、ジャン・ジャックの体は砂となり塵となり
やがて弾を腕にまた受けて、全てが空気に溶け消えた。
ザミエル:「……やったか?」
――やったようだ。気配はない。
ザミエル:「ったく、寒気がする……あの変態……」
ザミエル:ジャン・ジャックが消えた場所に背を向け、その場を後にする。
――それが“ザミエル”守屋 弓弦がかつて相対した、ジャン・ジャックの最終的な場面。
あれから今に至るまで、最近は遭っていなかったが。
GM:コードウェル、それから“ゼルエル”からの伝達で任務を請けることになる。その任務の中に《死者の宝冠》を奪い、その邪魔になる“彷徨える死人”をついでに斃せとの命令。
ザミエル:「《死者の宝冠》……。確か、あの変態も探してるとかあれがあればもっと愉しめる、とか言ってたな」
ザミエル:「……」
GM:適度にロールして終了ですっと。
ザミエル:「あいつ、また出てくるのかね……。しぶといと言うかシツコイと言うか……そろそろトドメ、刺したいトコだな」
ザミエル:嫌な邂逅の予感に多少げんなりしつつ。シーン終了でお願いしますー。
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GM:ありがとうございます。ではSCENE2、『“不死なる”死人』を終了します。
GM:お待たせしました、PC1ですね。
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“アゼル”黒田 兼光
『SCENE3・プランナー』
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GM:さてはてさてはて。ついにPC1で美女からの勧誘シーンですがー。
アゼル:わーいやっぱりそうなるんだ!? あ、勧誘シーン投げっぱなすですよGM。
アゼル:コードネームは厳禁でひとつ。(FHはいってからだしね)
GM:犯罪家業って具体的にどういうことしてた時ですかねえ。
アゼル:んーといろいろ? 誘拐・人身売買・運び屋・クラッキングなどなど、お好きなものをどうぞで☆
ザミエル:しかも回想シーンでってことは何歳だよ……
アゼル:ちっこいころからやってたってことになりますねえ、うん(
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――話はまた更に遡る。
――――兼光が《ヴァーチャーズ》に所属する以前、犯罪行為に勤しんでいた頃。
頼まれた依頼が金持ちの息女の誘拐、および身代金要求。
大事にしたくなかった父親は、すぐにでも代金を払って娘を取り返すはずだった。
しかし応酬に駆けつけたのは雇われた私兵。
相手が少数と知った途端、父親の思考は切り替わる。資金は身代金より安上がり。
子供やその程度の相手なら、これで全て片がつく。
「子供には子供ってか。坊っちゃんよ、相手は選べよな――?」
「おい、らしき奴は全員殺しておけ。居場所は大体割れてる、援護が来る前に娘を取り戻しておけとの――」
「これが終わったら報酬はたんまり――」
――相手は完全に楽観している。
――犯罪集団といえど、自分たちプロ傭兵の方が手腕が上だと自負しているからだ。
治安も悪けりゃ当たり前、ところ変われば生き方も変わる。
ふんわり遊んでいた息女を口説いてかどわかしてしばしのとき、要求時の連絡時にへまをした。
気を付けて写真を撮ったつもりが、曇りガラスに反射し映り込んだ姿と場所と状況と。
子どもだけだと見くびられ、場所も割られて強襲されて。
――今に至る。
黒田兼光:「(っちゃー……ヤべえな、人数は……)」
傭兵は……少なくとも5人程度は居るだろうか。
腕の立ちそうな男は殺す。子供は、適当に転がして、泣きわめけば殺せばいい。
プロにしては、“遊び”が少々過ぎていた。
人数を数える、逃げ場を確認する。
高をくくってる今がチャンス、無駄にかかずってれば全部失う。
命あってのものだねと、仲間は《逃げ》を決め込んで。
黒田兼光:「(問題はこの足手まといをどうするかなんだが……)」
殺せば速いが盾がなくなる、生きていなくては都合も悪い。
ただ逃げ切るには足手まといだ。
とりあえず気絶はさせてはあるもの、の……。
GM:「お、見つけた見つけた。遊びがすぎるぜ」、とライフルを担いだ男が一人。兼光に卑しい笑みを浮かべて近寄る。
黒田兼光:ちっ、舌打ちをひとつ。
黒田兼光:「遊びじゃねえよどぶくせえ」
じりじり、後ろに下がる。
とはいえどここは壁、少し視線をやらずとも、逃げようとした《仲間》が先にイったことくらいは気配でわかる。
傭兵:「これか? 随分ひょろっちいな……おい、娘はどうした。お仲間さんなら何人か既に“お迎え”に来てもらったが」
もう1人男が来る。ハンドガンを右手に、通信機を左手に何事かを喋りながらライフルの男の背後から駆け寄ってきた。
血がこびりついている。
傭兵:「……大体は。ああ、この坊主も殺せばいいんだな」
傭兵:「そうだ」
黒田兼光:「はっ、聞かれてホイホイ答える程お人よしと思うかよ」
ナイフを構え、低い姿勢で滑り込む。
足元を抜け切りつけ、ころがす隙に離脱を図る。
傭兵:「なんだ、チンケな刃物だけか……」
ハンドガンの男がその動きに即座に反応して一発。
致命傷になるところを“あえて”外し、体勢を崩したところで頭を踏みつける所作。
――乾いた音がこだまする。
――劈く痛みが駆け抜ける。
踏みつけられ、血反吐を吐いて。
黒田兼光:「ガッ……クソ、が」
黒田兼光:悪態つくのが精いっぱいで、ナイフを踏みつける足に刺す。
傭兵:「――ってェなあ!!」
傭兵:すかさずライフルの男が追い打ちで兼光の脇腹を蹴り上げた。頭は抑圧から開放されたが、ボールを蹴り上げる要領で一蹴が飛んでくる。
どんっ――
ダンプカーがはねとばすかのように、軽々と身体が跳ねて蹴られる。
もともと大人と子供の体格差、その上兼光はさらに軽い。
2度3度と吹き飛ばされて、血だまりに伏せる《仲間》の中へ叩き込まれる。
黒田兼光:逃げ道は大人の側、なぶり殺しからは逃れられる気はしない。
黒田兼光:死の恐怖以上に支配するのは、怒りと懺悔の想いの混じり。
黒田兼光:――仲間を壊されたのは俺のせいだ、俺がしんだら誰が彼らに報いれる?
GM:「じゃ、おやすみ坊や。子守唄なら今から聴かせてやる。それから友達と一緒にオネンネだ」
苛立つハンドガンの男が、残りの弾を立て続けに撃った――。
――カチリ。
次の瞬間建物が、膨大な光に飲み込まれた。
――それからだろうか。
兼光は定まらない意識を覚醒させると、あったはずの建物は屋根すら吹き飛び、“在ったもの”すべては空になっている。死体の一つもない。
しかし近くに女がやってきた。
長髪を靡かせ、美しい容貌はこの荒んだ場には似つかわしくない。
――目の前がくらくらする。
――焦点が定まらない。
気づけば自分は“倒れてない”。
気づけば空が、随分近い。
……建物にいたはずだ。血と硝煙との匂いの立ち込める、暗くて狭い建物に。
仲間はどうした? あのクズ大人はどうした?
俺はどうなった?
都築 京香:「……おかしいですね、ここに居ると、聞いたのですが……。……貴方ですか?」
ここは死の国か?
――いや、そんなかんじもしない。
くらくらする身体の感覚の中、何があったと把握する――。
都築 京香:「もし……意識はあるようで」
黒田兼光:声をかけられて、そちらに視線をかしがせる。
黒田兼光:「なんだよ別嬪さん。あんたみたいな美女はこんなところじゃなく、王のそばにいたほうがいいんじゃねえか? ……っ」
黒田兼光:痛みが走る、身体を押さえつける。急所を外され撃たれた傷から、どくどくと血が流れ落ちてる。
都築 京香:女は尋ねる。呆然とする兼光に声をかけ、荒々しい対応をされてもにこやかに微笑うだけ。
都築 京香:「その傷は、いずれ治ります。貴方は“力”がありますから」
黒田兼光:いぶかしげな顔。
黒田兼光:「いきなり来てずいぶんとなんだな、別嬪さん。いったいなんだ。チカラ? いったいいま何が起きたか俺が聞きたいくらいだっツーのに」
都築 京香:「どうやら目覚めたばかりのようですが……」周囲を見渡して「ふふ、その破壊の力、“万物を殺す”才能、とお呼びしましょうか」
都築 京香:「貴方には、《願い》はありますか?」突然、そう切り出した。
段々と意識がはっきりしてくる。
身体が何か《変わった》のがわかる。
撃たれ蹴られた怪我も、気にならない程度に治っていく。いった。
黒田兼光:「《願い》?」
都築 京香:屈んで兼光と視線を合わせた。あったことがなかったように話しかけているが、全ては塵となった後。
都築 京香:「そう、願いです。叶えたいこと、成し遂げたいこと」
黒田兼光:「願いねえ。アンタみたいな別嬪をモノにするとか?」
黒田兼光:「――じょうだん」
黒田兼光:「そうだな、こんなくそみたいな大人が敷いた世界やら律なんざぶっこわして。俺が生きたいように生きるってところか?」
黒田兼光:「生きるにゃ窮屈だ。どうしても生まれもったモノ、まわりの環境に否応なく合わせなきゃいけない」
少しだけ後ろを見る。
既に何もなくなった更地。仲間が伏せていたその場所。
黒田兼光:「“お前はまだ運がいい””いい生まれの方なんだ”。そういわれても納得はいかねえ。敷かれたレールのままに生きるとかごめんだし、かといって外れるにゃよほどの力がいるわけだしな」
都築 京香:「ふふ、ふふふ……。その力は、いずれ貴方の言う“大人”を討ち滅ぼし、貴方の望む世界も手に入れられるでしょう」
都築 京香:「ですが、力の使い方もままならない、その力が何なのかも知らない――」
都築 京香:「……私についてくれば、その力を活かし、成し遂げる“プラン”をご提供できます」
都築 京香:いかがしますか、という京香の声と艶やかな表情。甘露のようないざない。
黒田兼光:親指で口の端を抑え、少し思案する。
正直いきなり現れて、そんなことを言い出す美女は胡散臭いにもほどがある。
ただ「毒を食らわば皿までも」。
間違いなくつい先ほど、喪ったであろう自分のいのち。
大人どもを屠った力を自分は知らない、この女はしってるという。
――あえて乗るのも一興か。
――なんならそれこそ隙を見て、消してしまえばいいのだから。
黒田兼光:「プランって言葉がちっと気に食わないところもあるが」
黒田兼光:「まあ選択肢もないんだろ? 別嬪さんよ」
黒田兼光:「はっきり言っちまった方が早いからこう言わせてもらうよ別嬪さん」
黒田兼光:「俺はアンタを利用する。だからアンタも俺を利用しろ」
黒田兼光:「たがいに、利用できるっツーなら、だけどな」
都築 京香:笑顔は肯定とも否定ともつかない。打算に関しても曖昧だ。ただ、ついていく気があるのなら――拒まない。
「ようこそ、新たなる世界へ。私は“プランナー”。貴方の道を、示す者」
GM:続いて都築京香、と女は名乗った。
黒田兼光:「ぷら……? 計画者? まあ、いいけど……」胡乱な目を少しする。
黒田兼光:「ツヅキキョウカ、ね。日本人にゃ見えねーが、それをいったら俺も同じか」
黒田兼光:「よろしく、キョウカ。俺は黒田兼光、アンタに合わせて名乗るなら、そう名乗らせてもらうよ」
”ウソ”はいってない、これも実際戸籍としてある通名だから。
ただ、真名を名乗るのは避けた。
相手も――おそらく真名なぞなのってはいないのだから。
ありがとう、と括った後、すぐに振り返って行く。
ヒールを打ち鳴らす音と共に、残骸は遠のく。“ファルスハーツ”への道が拓く。
――あれから何日経ったのか、“プランナー”はFHを去り、時は今に戻る。
寒さも暑さもないまぜに、気ままにセルへの帰路を行く兼光の視線の端に少女が映る。
何の気もなかったが、ただ惹かれる――いや、“知っている”ような気がする。
少女はどうこうする前に、兼光の顔を見て真っ直ぐに歩いてきた。
――“プランナー”。ある事件の際に姿を消し、また姿を1回り2回りと小さくさせた女。
怒りと高ぶりと歓喜がいまだに心身にくすぶってる。
“突伽天女”に口説かれて、ヴァーチャーズを滅ぼす計略に組み込まれ。
集まったそのメンバーのただなかで、刹那手のひら返すように裏切り返して更地にし。
――そんな、帰り道。
アゼル:「悪くはなかったんだがなあアノ女たち。ドゥルガーっつーだけのことも……って……」
目を細める。
目の前に来たのは小さな少女。
アゼル:「キョウカ? か? まーたずいぶんと小さくなったことで」
都築 京香:「ご無沙汰しております、“アゼル”」恭しく一礼した。
アゼル:おっと。
アゼル:下卑な音調で茶化したところに、恭しき礼をされる。
アゼル:ちょっと失敗したか、という顔をしてから居住まいを治して。
アゼル:「失礼、レディ・プランナー。ご無沙汰しております」と、同じく礼をして返す。
都築 京香:たおやか笑顔に変わりはない。その仕草はとても流暢だ。
都築 京香:「貴方らしくない、なんて言うのもおかしな話なのかしら。……元気で何よりです」
アゼル:「礼には礼を尽くしますよ。確かに貴女の傘下ではなくなりましたが、それでも“元”傘下であり、拾ってもらった恩義はあるのですしね」
アゼル:少し間を取る。
アゼル:「おかげさまで。だいぶ力も使えるようにはなりましたよ」
手を軽く、ひらつかせる。委細問題ないとでもいうように。
その手はその肩は、以前あった時に撃ち抜かれてておしゃかにしていた、その腕だ。
都築 京香:「“万物を殺す”力、存分に振るっているようですね。……私としても、貴方を導けて幸甚です」
そうして手を、肩を見る。
目を細めて、そのまま伏せた。
アゼル:「ええ、まあ。悪ぃ気はしてませんよ。まだまだ《願い》にゃ程遠いですが、あるとないとじゃ大違いだ」
アゼル:「で、此度は如何なさいましたか?」
アゼル:「貴女がFHと袂を分かってそれなりに久しい。ずいぶんとさみしがって気違えてる子買いもいる位なのに、なんでまたそれらをスルーして俺なぞの前に」
都築 京香:「ふふ、今日は人目を忍んで貴方をご招待に来ました」
「夜景を見ながら、素敵なパーティー。
招待状もほら、ここにあります。……私は、貴方をここでお待ちしております」
アゼル:口が半開く。
アゼル:「パー……ティ……?」
アゼル:いったいまたどんな気まぐれ、と思いながら。招待状を受け取ってみてみる。
疑問に対して深くは兼光に言わない。
ただ、『豪華客船“ノーライフ・クイーン号』の開港祭に伴う招待状、とかいつまんである。
アゼル:「豪華客船のパーティ、ねえ……」
都築 京香:「この姿で招待するのは、少し勿体無いでしょうか。……いえ、とにかくも、貴方を待ってます」
アゼル:「ははっ、俺みたいなのを誘っていただけるとは光栄ですよ」と会釈して。
アゼル:開港祭……ツーとあの時期か。時間をなんとかしてとってみますかねと、思案しては。懐に招待状を収める。
都築 京香:微笑みのままに頷く。少女は満足気にしていて、そのまますぐに踵を返して立ち去っていった。
アゼル:身体を伸ばす。
アゼル:「さーって。――これからめんどくせーけど折檻タイムか」
派手に抵抗すれば傷も深まる、し、何より拘束時間が増える。
さっさと終わらせてクルージングとしゃれ込むにゃ、ある程度甘んじて受けて被害を減らすしかないか。
――痛ぇし、シャクだがしかたねえか。
――あのバカ力が、どこまで抑えてくれることやら。
アゼル:「さて。楽しい夜のために、一肌脱ぐと致しますかね」
懐に入れた招待状をポン、叩いては。
胸を張り、意気揚々と、帰路についた。
そして《死者の宝冠》の奪取の舞台、“ノーライフ・クイーン”号にまさか出向けと言われるとは、想定外だっただろうか。
《ゼノス》が関わり、また同じくして奪取をもくろんでいるとのことから“プラン”の一端と知ることになる。
そう、兼光は既に《ゼノス》の要と逢い、招待に預かっていた――――。
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GM:それではありがとうございます。『SCENE3・プランナー』を終了いたします。
GM:どうぞお寛ぎ下さい。次はマスターシーンです。
アゼル:はーあーい。
ザミエル:ハーイ
カーラ・コーネリアス:はーい
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――マスターシーン。
『SCENE4・宝冠は死者の手に』
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GM: ――“ノーライフ・クイーン”号の貨物室にて。
宴は既に始まっていた。
告げる鐘の音の代わりに、刃物が肉を軽やかに割く音がする。
次に重く床を跳ねる音がする。
部屋の中に血の海が薄く広がっており、黒服の男が二人と曲刀の元に沈んだ。
その曲刀を手にする男は――ジャン・ジャック。“彷徨える死人”。
あの時殺された筈が、悠々と構えていた。
キャプテン・ジャン・ジャック:「けエッ、弱え。こんなクズ、“ザミエル”以下だ。腹も膨れねえ、楽しくもねえ」
ジャン・ジャックが転がった死体を蹴飛ばすと、積荷に当たる。
ゆっくりと首を傾けては、鼻で笑った。
キャプテン・ジャン・ジャック:「さーて、それより《宝冠》だ宝冠。ついに取り戻せる――」
キャプテン・ジャン・ジャック:ついに手に入れたと高笑いする。積荷の一つを乱雑に開け放つと、その中には綺羅びやかな王冠。
宝冠に埋められた宝石は赤く染まる。
ひとつ、ひとつと血の海よりも真っ赤に輝く。
次第にジャン・ジャックの肉体もその表皮が削げる。
露わになった骨が、ごろりと落ちた眼球らしきものを踏み潰して溶かす。
乾いた音が笑い声のように周囲に鳴り響くと――。
音はやがて、消えた。
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GM:『SCENE4・宝冠は死者の手に』――終了。これにて序幕はお終いでございます。
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